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とんび
ご存じ重松清の小説『とんび』(角川文庫刊)の映画化、25日はNHKBSで『前編』と『後編』の両方を鑑賞しました。広島県を舞台に、妻を失った父親が息子の反抗期や学校でのトラブル、受験、自立、意外な女性との結婚など様々な困難に直面し、不器用に戸惑い、悩みながらも息子の幸せを第一に考え、周囲の支えを受けながら男手一つで息子を育てた父の半生と親子の絆を描いた作品です。

過去にも観たことがありましたが、『後編』は覚えていませんでした。きっと飲んだくれて白河夜船、うとうとしながらうたた寝だったのでしょう。それで、覚えていないのだろうと思います。あの堀江貴文氏が、収監中に独房で読んで涙したと聞いたことがあります。涙なくして、観ることは出来ません。

堀江貴文氏だけでなく、私もかみさんも今日は泣きました。主人公「やっさん」の父親が、幼少期離婚で自分の元から去ります。母親も他界していて、天涯孤独の少年時代を送ります。そんなやっさんが、結婚して一人の男の子『旭』を授かります。小林旭からの「旭」です。3人で貧しくとも、とても幸せな生活を送ります。しかし『旭』3歳の時に、落下荷物の圧死で母が帰らぬ人になります。

やっさんは、その事実を隠し続け、子どもの『旭』が小学校卒業前に、「父の犠牲になって母が死んだ」と告白しますが、事実は、『旭』をかばって母が圧死したのです。その事実を旭は、地元の真言宗の和尚から自身の死の前に聞かされます。それを、就職試験の『作文(父の嘘)』に書いていました。「僕に恨みを抱かせなかった父を誇りに思う。」父親が知らない間に、息子は真実を知っていたのです。

『旭』が大学進学で、上京するのは私より10年近く後のことですが、私も父親の記憶がほとんどなく、母親の細腕に頼り東京の大学を目指しました。不器用な父親と周りの人々の愛情を受け、「とんびが鷹を生んだ」と称されるほど優秀でまっすぐな青年に成長していく。学力に長けており、高校卒業後は地元を離れ早稲田大学法学部に進学する。

卒業後そのまま東京都内で就職し、故郷の広島へは帰らない。父も上京して、一緒に暮らさないかと奨める。父親のやっさんも悩むが、結果として広島のその場に留まることを選択する。『旭』の生き様が、自分と被って涙が止まりません。父親の「やっさん」は常に飲んだくれて帰って来ます。この姿が、そのまま私の姿かと勘違いします。

もう一つ印象的なのは、やっさんの奥さんの姉さん(居酒屋の女将)の存在です。一人娘を残して嫁ぎ先から離縁されて、帰って居酒屋の女将をしています。この人の存在が、単純な映像を盛り上げています。その捨てた娘が挙式前に、突然訪ねて来ます。手料理を賄い、幸多かれと笑いながら返します。

私も10歳で父親と死別しています。肺がんで、8月の暑い日の病死でした。とても苦しんで、死にました。私も2人の男児を授かりましたが、どうして育てたら良いか分かりませんでした。古希を迎える今でも、どうしたモノかと悩んでいます。父親は、その父や祖父を真似してその役割を全うするのでしょうね。見本がいないのは、迷路に入ったようです。

改めて観た「とんび」。実に良い作品に接した気持ちがしました。『とんび』は、皆さんの愛読書の一冊としても恥ずかしい作品ではありません。是非お読み頂き、あわせて映画版を観て頂きたい。私は涙腺が甘くて、映画を観ながら「ど泣き」でしたが、皆さまの心も洗われることだと思います。



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| 社長日記 | 09:57 AM | comments (0) | trackback (0) |

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