「ブロックチェーン技術」が、現場で利用されるというニュースが流れています。インターネット上で、複数の取引の記録を共有し、互いに監視し合いながら正しい記録を、鎖(チェーン)のようにつないで蓄積するデーター管理の仕組みであります。おもに、「分散型台帳」と訳されている。もともとは、仮想通貨「ビットコイン」を支える技術として開発されたモノであります。
複数のサーバーが整合性を確認しながら、前後のデーターの固まりをブロックでつなげて保存していくため、過去のデーターの書き換えは事実上不可能と言われている。そのため、改ざんリスクが低いとされているのです。仮想通貨というと、何だか胡散臭い感じがしますが、日本通運が倉庫での商品管理に導入すると聞くと、私の中でも急に現実味を帯びてきます。
日本通運は、ブロックチェーン技術を活用した輸送網の整備に乗り出すと発表しています。まず医薬品を対象に2021年の構築を目指しており、倉庫の整備などを含め最大1千億円を投資するという。偽造医薬品の混入を防ぐための品質管理に生かし、将来は消費財全般に応用する予定だ。これがブロックチェーン技術を使えば防止できると言うから、頼もしい限りであります。
日通は、国際的な偽造品の流通防止などを目的に、欧米や日本で医薬品の適正な流通基準(GDP)の導入が広がっていることに対応する。原料や製品の輸出入から医療機関への納入までの過程をリアルタイムで追跡し、メーカー、卸、医療機関などと共同で利用できるようにする考えのようです。
業界では偽造薬は流通量の約1割を占めるとされ、国内でも17年にC型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品が出回った。健康被害も起きかねず、対策が課題となっている。日通は医薬品だけでなく、ブランド品などの高額品の流通にもブロックチェーンを使う利点が大きいとみている。今は、紙ベースの管理が主流と聞いています。
経済アナリストの藤原直哉氏によれば、この先、有益な技術は①ブロックチェーン技術②AI③IoTの3つだと言う。その最先端を走るのが、ブロックチェーン技術だというのです。いずれもコンピュータやインターネット関連で、インターネットにしても元は軍事利用を目的で開発された技術。ブロックチェーン技術が、仮想通貨のために開発されたとしても、他への利用も十分考えられる。
巨大サーバーで一括管理する従来の手法に比べ、システムを低コストで構築できる特長もある。戸籍や公文書管理、投票の不正防止など、社会を支える新たな情報システムを実現できる可能性があるため「インターネット以来の発明」とも呼ばれている。ブロックチェーン技術を投票システムに導入すれば、スマホーからの若者投票が増えて、政治も大きく変化すると思われている。
米調査会社IDCは、ブロックチェーンに対する投資は、世界で2023年約159億ドル(約1兆7千億円)に達すると試算している。ブロックチェーンは、金融にIT(情報技術)を活用するフィンテックで先行し、物流や小売りなどにも広がっている。米IBMは、食料品向けの追跡システムを開発。生産から販売までの流通過程を記録し、消費者も情報にアクセスできる。食料品の、トレーサビリティ(生産履歴管理)向上にもつながるという。「ブロックチェーン」、注目のキーワードです。