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屋根裏の闖入者by和久峻三
コトデン琴平線仏生山駅の上り線ベンチに、「駅文庫」があります。この度200円だったかを木の箱に入れて、平成2年9月25日に角川文庫から初版発行された、和久峻三氏の「殺人者の涙(短編3作)」、その中に収納されていた「屋根裏の闖入(にんにゅう)者」から話題をとります。短編作と言っても長いので、要約します。

物語は、加蓉子が原告として起こした民事裁判を舞台として始まる。加蓉子は、親から譲り受けた自宅の2階に入り込んだ二十歳も年下の橫井昌夫と恋仲になり、夫彬信に親から相続した土地と家屋を財産分与として、彬信に無償譲渡することを条件に、協議離婚が成立した。司法書士事務所で所有権移転登記手続きを済ませて、その足で区役所へ行って離婚手続きも済ませました。

だがここに落とし穴が!無一文になった加蓉子に巨額の譲渡所得税が課税されることになったのです。小説の中では、税8千万円と設定されています。逆算すると三億円程度の評価額となります。時価は四億円もする。そこで夫彬信に無償譲渡した土地建物を「錯誤」を原因として、元に戻すことを請求する裁判を加蓉子がおこしたのだ。そこから、物語が始まっている。

もちろん元夫彬信の同意があれば裁判することもなかったのだが、棚からぼた餅でもらった不動産、この頃はバブル崩壊の前だから、土地が暴騰していた。そんな高価な財産を、彬信が素直に元に戻す訳がない。そのために取り戻し裁判が、行われていた。

この争いの部分に興味はないので飛ばして結論を言うと、一審では加蓉子の主張は認められず、その後の控訴審で、ようやく加蓉子の名義に戻ることになる。この途中での経過では、只でもらった彬信にも、「不動産取得税」とさらに最悪なのは、「贈与税」までも課税されるという設定だ。財産分与に贈与税は課税されないというのが税務通達だが、その額が巨額だから課税されるという設定である。

只でもらって儲かった人間に課税があるのは当然としても、一銭金も得てない加蓉子が課税されるというのは、素人目にも国税当局は無体なことをするモノだと映る。もう一つ私が困った経験では、離婚の財産分与でもらった不動産を売却すると、この不動産取得価格(売る際の原価)は元夫が買った値段と言うことになる。相続と同じように、先の原価を引き継ぐのだ。

私はこのケースで、元夫が買った値段を当時仲介された不動産業者さんへ聞き取りに行ったことがあります。分からなければこの度の売却価格の5%を使っても良しとしているが、場合によっては夫の買値の方が圧倒的に高いこともあり得る。となると、支払税額は、益金課税だから激減する。この時は、契約書のコピーまで頂けた。今でも恩は、忘れない。

離婚をお薦めはしませんが、離婚するのにも弁護士や税理士に事前に相談して、愛や恋だの、また恨みそねみという感情のみならず、損得もある程度勘定に入れてやることをお薦めします。このような場面では、「愛は勝つ」とは必ずしも言えないようです。税制は、正義も悪もない。法律に則しているかどうかだけで、計られる。

さて一昨日の高松商の試合のように、消化不良にならないために、加蓉子に戻った不動産は、デベロッパーに相談して賃貸マンションを建築し、家賃収入から銀行返済額を支払い、残れば、元夫に財産分与として毎月の生活費を支払うようにするという設定です。めでたしめでたし、和久峻三はこのあたりが実にうまい。



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| 社長日記 | 09:39 AM | comments (0) | trackback (0) |

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