四国新聞5月25日(土)の文化・生活蘭に、安富行美さんが紹介されている。少し前のこの欄「すてきな人」には、公益社団法人香川県宅地建物取引業協会高松西地区長・金森幹子さんが取り上げられていた。記者の視点は的確で、金森幹子さんは、香川県宅建協会12の常務理事の一人で、初の女性会長候補。二人に共通するのは、「男社会」に分け入って大活躍をされていることだろう。
副題として、「女性が活躍して当たり前の職業になってほしい」と書かれている。安富行美さんは、警察官にあこがれて交通指導員になったと聞いた。当時香川県警に、女性警察官の採用がなかった。採用が始まったのは、結婚と出産を経た28歳の時。受験資格のある最後の年だった。見事合格し、1994年に香川県警の女性警察官第一期生として採用された。
私の安富行美さんとの出会いは、私が香川県中小企業家同友会の共同求人委員長の時、新卒の共同入社式の記念講演を、ある人を介して安富行美さんに依頼した時でありました。働くことのモチベーションは、損得勘定ばかりではなく使命感・責任感という高次元の理由もあるのではないかと思い、彼女に依頼した。
幸いなことに安富行美さんには心良く引き受けて頂いたのだが、同友会内部の常務理事会・理事会等で揉めた。警察人という企業人でない講師の話は、かけ離れていて、官僚型というか公務員気質の話しはなじまないというのが理由だった。比較的理解が深かった、三宅昭二さんまでに反対された。その頃の私はとがっていて、どうしてもやると強行した。
結果彼女の話は多くの若者の心を掴んだようだったが、経営者群にはどう映ったのか。一番印象に残ったのは、非番で子どもらと集団でBBQをやっていて、まさにいま肉を食べようとしたその時に、非常呼び出しがあって子どもらに不義理をしたと笑っていた。本当は、食べたかったのが叶わなかった恨み節だったのかも知れない。
その後安富行美さんを見たのは、香川県が会場となった育樹祭(海関係だったかも知れない)に来高され、讃岐路を走る雅子皇太子妃のクルマだった。後ろの席に雅子皇太子妃がいて、助手席に安富行美さんの凜とした姿がありました。香川県警が誇る、女性警官の一人です。今年警視と言うから、2年後にはどこか小さい警察署の署長に、まだ52歳というから、警視正に昇進されて、高松南・高松北署署長もあり得るか。
安富行美さんには、人材育成も期待している。講演依頼の面談時、ぴかぴかの1年生、つまり新入社員にエールを贈って下さいという誘いに、目を輝かせていた。彼女が他と違うところは、業界が違うからと逃げなかったこと。その当時から、現在の存在の片鱗がありました。楽しみな「すてきな人」の一人であります。