昨年フランスと、高松市・トゥール市姉妹都市提携30周年記念事業に参加したメンバーに、瀬戸内国際芸術祭2019開催中の犬島&豊島見学の誘いがありました。その他友達等を誘い、総勢36人が、高松港からたこたこ観光タクシー(チャーター船)で、まず岡山市の犬島を目指します。
犬島は、瀬戸内国際芸術祭2019の舞台となっている岡山・香川の中で、唯一岡山県に所属する小さな島です。私も行ったことがない島で、楽しみにしていきました。岡山市東区東部・宝伝能力沖に浮かぶ島で、周囲約3㎞人口40人ほどの島です。100年ほど前の明治末期、犬島精錬所がこの島につくられ、銅の暴落等で10年間の操業で幕を下ろしたのです。最盛期の人口は、3,000人ほどいたそうです。
目玉は、犬島に残る銅製錬所の遺構を保存・再生した「犬島精錬所美術館」。「在るモノを活かし、無いものを創る」というコンセプトのもとに造られており、「遺産、建築、アート、環境」による新たな地域創造のモデルとして、注目される。レンガ造りの煙突数本が、島のシンボルです。犬島の近代化産業であり、カラミ煉瓦づくりの工場跡と煙突が残っている精錬所跡です。
連休明けの見学客が少ない平日、ゆったりとした時間が流れます。初めてのこともあり、ここは感動しました。前回2016年も、春会期の初日に豊島(てしま)へ渡り、次にここで行われる「能舞い」見学に誘われたのですが、帰りのことを考えて断った経緯がありました。人生と同じで、思ったらただちに実行しないと、せっかくの機会を失います。長年の思いが募って、狭い島中を歩きました。
高松港からは、豊島行きのフェリーに乗って、豊島経由で犬島へ渡るのが唯一の方法です。面白いのですが、豊島は小豆郡土庄町に所属します。穏やかな瀬戸内海に浮かぶ豊島は、人口800人の小さな島ですが、歩くのには大きすぎる島です。われわれは一部たこたこ観光タクシー(チャーターバス)を使いましたが、それでも1万5千歩は歩きました。
豊島は、1970年代から始まった産業廃棄物不法投棄問題もありましたが、2010年には豊島美術館をはじめとするアートの施設も出来、多くの見学客で賑わっています。豊島の見所は、「豊島美術館」や「豊島横尾館」(アーティスト・横尾忠則と、建築家・永山祐子による)、「心臓音のアーカイブ」などがお薦めです。
また豊島はイチゴの産地で、イチゴの販売店もあります。豊島には「家浦地区」と「唐櫃(からと)地区」、「甲生(こう)地区」の三箇所に作品があります。一度にすべてを見るのは、電動自転車をレンタルしたり、レンターカーや個人タクシーも1台あるようです。これらを駆使して、事前に綿密な計画をしないと無理です。定休日もあるようですから、こちらも要注意。