驚く内容の本でした。インターネットのメールで舞い込んだ情報、切手代で本を送るというので申込みをして、届いたモノをあっという間に読みました。ネタは衝撃的でしたが、内容はさほど難しいモノではありません。「フリーダム・ビトレイド(Fredom Betrayed)」、日本では「裏切られた自由」と訳されています。
この本を題材にした、藤井厳喜(1952年東京都生まれ。ハーバード大学大学院政治学博士課程修了)氏の渾身の一冊。フーヴァー元大統領が退任後に書いたフリーダム・ビトレイド。アメリカによく見られる、後任者叩きかとも思うが、どうもそうばかりは言えないリアル感がある。私は、「フリーダム・ビトレイド」の日本版を今から読むのだが、「太平洋戦争の大嘘」に抜粋が掲載されている。
第2次世界大戦中のアメリカ大統領は、フランクリン・ルーズベルト(民主党出身の第32代大統領(1933年 - 1945年))ですが、その前の第31代アメリカの大統領を務めたハーバート・フーヴァー(共和党)が書いた一冊ですが、なんと50年間近くの間、出版されませんでした。ハーバート・フーヴァーは、大統領就任の前後に、20冊ぐらいの本を出しています。影響力の大きさを、遺族が心配したからと言われています。
第31代アメリカのフーヴァー大統領は、保守思想の持ち主であり、大変愛国的な人間です。アメリカの愛国者として、信頼のおける人間であり、極めて誠実な人物と言って良いでしょう。タダ彼は、私もそう考えていましたが、1929年の世界大恐慌(「フーバーダム」の建設は有名ですが)に有効に対応出来なかった大統領として批判され、忘れられた存在になっていました。
そのフーヴァーが、アメリカの愛国者の立場から徹底して、「ルーズベルトは売国奴だ」とはっきり言い切っています。やる必要の無かった戦争をやり、その結果として世界的に共産主義の進出を許し、アメリカの中にも広めてしまったと言うことで、フーヴァーはリベラルな伝統そのものの根底のところを徹底して叩いています。
1941年(昭和16)7月に、アメリカは日本に経済制裁をします。日本では、ABCD包囲網と言われています。当時は勿論こんな表現はなかったのですが、後年そう呼ばれるようになりました。ABCDというのは、対日経済制裁をしていたアメリカ合衆国(America)、イギリス(Britain)、中華民国(China)、オランダ(Dutch)各国の頭文字を並べたモノです。
フーヴァーは、その著書「フリーダム・ビトレイド」の中で、これ(47年の経済制裁)こそ「日本に対する宣戦布告無き戦争であった」のであり、「アメリカを戦争へ誘導していったのは他ならぬルーズベルトその人であった」と書いています。日本はそれに、乗せられてしまったと言うことを主張しているのです。
後半の「アメリカを侵略する共産主義の脅威」では、以下のように書かれています。ルーズベルト批判をやっている人たちというのは、みなアメリカの保守の人たちだと言うことです。大体が共和党系の人たちです。ルーズベルトは、とにかくアメリカのプログレッシビズム、進歩主義を代表する人でした。日本で言えば、革新のチャンピオンみたいな人です。だから、共産主義にも近かったし、社会主義政策もやったし、スターリンとも親しかったのです。
このように一気に読んでいくところに、トランプ大統領の米朝会談決裂のニュースが飛び込んで来ました。トランプ大統領も共和党です。恐らくですが、トランプ大統領もそもそも共産主義・独裁政治は嫌いなのです。北朝鮮はともかく、中国共産党は潰そうと考えている?一読に値する本だとお薦めします。
この本によると、広島長崎の原爆投下がなくても、「全面降伏」を言わなければつまり天皇の国体維持さえあれば、日本は早くに降伏していたという。それをさせずに徹底的に日本を叩きのめしたのが、第2次世界大戦中のアメリカ大統領のフランクリン・ルーズベルトだった。続きはご自分の目で。