2025,03,15, Saturday
四国新聞に衝撃的なタイトルが並び、思わず目がとまった。地元温泉ではなかったので、まずは胸をなで下ろした。ある人は地元新聞が、通信社配信の記事を多く転載しているのはつまらんとこけおろしているのだが、私はそれも必要だと考えています。そこで本紙では・・・各地の温泉で源泉水位の低下が深刻化している。インバウンド(訪日外国人客)増加でくみ上げ量が増えたことなども原因とみられ、湯を十分確保出来なくなって廃業する温泉施設も出ている。
地元自治体が温泉の新規掘削を制限し始めたのは、もう何十年前からの話だと聞いてはいますが、またここへ来て業界に『節湯』を促したりしているのだが、抜本策はなく関係者は苦慮していると報じられています。昔スキーに良く行っていましたが、そこでは雪不足が深刻で、年内に潤沢な雪があるかないかでそのシーズンの明暗が分かれると聞いたモノでした。 こうした村や町では『出稼ぎ』が昔からの生業でしたが、村にスキー場が出来て同時に出稼ぎがなくなった。スキー客対応の駐車場やリフトの係員など、仕事がいっぱい出てきて出稼ぎ程度の収入は確実に稼げる。また当時はそこに宿泊施設もあり、昼夜通して働き場がありました。こうしてゲレンデの面積も徐々に増え、村や町が潤ったモノでした。ここで暖冬の雪不足がのしかかってきたのです。 それと同様温泉の湯がなくなると、それは名湯施設でなくなり、廃業を余儀なくされます。北海道ニセコ町などを含むニセコ地区では近年、外国人スキー客を当て込んだホテルや旅館が温泉井戸を次々に掘削し、湯の使用量が増えており、町の担当者は対策を検討し、貴重な観光資源である温泉を維持させていきたいと話しているようだが。 確かに私の経験からも、寒いゲレンデでスキーをしたあとの温泉は至福の時間であり、「これぞ日本人」思ったモノで、外国人に好まれるのも良く分かります。特に雪のない国から来た外国人には、この二つが揃っている地域への『初詣』は、神様の御利益を速攻で頂けるチャンスであります。 大分県や環境省によると、別府でくみ上げられる温泉水の大半は、雨水が地中の熱で暖められたモノで、量が限られるという。温泉にも水脈があると言われているが、採掘箇所が増えたら枯れるというのもありそうに思える。しかしそれはその温泉地全体の問題で、これまで何百年続いて来た名湯の歴史も危なくなってくる。 インバウンド(訪日外国人客)は増えすぎて、これまでの長い歴史の中で経験したことがない湯量が使われると、源泉もたまったモノではなくなる。悲鳴を上げているのが今の現状だと思います。問題は拡大需要を見込んで大型投資をした個人企業自治体などに、計り知れない悪影響を与えかねない。建物は木造の適正規模ならまだしも、鉄筋コンクリート造の高層階建物となると大変だ。千載一遇のチャンスかもしれないが、長く続いた名湯の火を消すことにもなりかねない。 |