2024,11,01, Friday
パソナグループの地方創生(東京)が琴平町の新町商店街で取り組んでいる『地域まるごとホテル』が10月31日、グランドオープンした。空き店舗や空き家5軒を改装して宿泊施設や新たな店舗にし、周辺の飲食店と合わせて地域一帯をホテルに見立てて楽しんでもらう事業。訪日客らをメインターゲットに、シャッター街となっている商店街の活性化を目指す。
既に似た動きは、全国のあちこちで行われて丸亀市の商店街アーケード下でも同じような旅館風ホテルが営業している。発想は良く似たものだが、成功の秘訣はそのロケーションにある。琴平町は『こんぴらさま』の街で、外国人観光客の数も多いが、受け皿の旅館・ホテルも多い。反面『四国金比羅大芝居』の期間中などには、その数が足りないとも言われている。またこうした滞在型のホテルは、これまでにほとんどない。 この日オープンしたのは宿泊施設と日本茶カフェー、ベークル店。宿泊施設は1棟貸しの客室が5棟あり、最も大きい棟では85㎡(25坪余)に最大7人が泊まれる。ペット可の棟もあるようだ。ペット(犬だろう)無視では、どの商売でも成り立たなくなっている。私の世代は、犬は外で小屋で人間の食べ残しを食べていたが、今では人間より高価なモノを食べて肥満気味。時代だね。 食事は周辺の飲食店を利用するか、棟内のキッチンで調理する仕組み。料金は1泊2日2人で4万4千というから、決して安くはない。近所の大型ホテル並みの料金だと思うのですが、選択肢が多いのは、訪れるお客さまにも喜ばれると私は思います。世界一の観光地、ハワイオワフ島のワイキキ当たりでも、この選択肢は既に早くからある。ハワイは何に挑戦しても、来島客が多いからまず失敗しない。これが、私が問題視する『ロケーション』だ。 この『地方創生』は、2020年に文具店を、新型コロナウィルス禍を挟んだ23年にビール工房を開業している。商店街活性化は、今の時流に乗った商店を誘致するしか方法はない。これまで仮に100年存続してきた老舗でも、例えば八百屋から少し大きくなった地元スーパーマーケットや、衣料品販売店では、大型店舗や通信販売に飲み込まれて消滅している。後継者も今の家業で飯が食えるか、将来展望があるかを見極める。親子の情や歴史は、二の次三の次だが、仕方ない。 これまでになかった業種業態は、多少のリスクをとってもこれからもやっていけると思う。成功体験がないだけに、金融機関も二の足を踏むが、そこは辛抱強く交渉して融資を勝ち取る。また理美容などの100年以上前からある商売も、生き残るだろう。金比羅などの古い町こそ、新しいモノを求めている。新しいモノが生まれる環境は、『よそ者・若者・馬鹿者』が上手く相乗効果を発揮しているところと言える。 |