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23年度香川県内の市町へのふるさと納税は4年連続最高92.9億円
自治体に寄付すると住民税などが優遇される『ふるさと納税』について、2023年度の香川県内市町への寄付金総額は約93億円弱で、22年度(79億4400万円)から13億円超増となり、4年連続で過去最高を更新したと四国新聞で報じられています。県内に8市9町ありますが、前年対比減となっているのは4町だけ、8割強がウファウファ状態です。

県内在住者はこの対象外で、私も県内各市町のポータルサイト(ふるさと納税に対する考え方や、返礼品が掲載されているホームページ)を覗いたこともありませんが、これらの充実や制度変更への『駆け込み寄付』が総額を押し上げたとも見られています。要するに自治体は他人任せで、恩恵を頂戴している訳です。

私は小欄でも何度か書いていますが、ふるさと納税制度は税収の奪い合いで、ざっと言えば制度前の大都市の税収を地方に移しているだけで、仮にその総額を9千億円とすると、これを全国の市区町村1741(市792区23町743村183・2022年現在)で争奪していて単純割り算してみると、5億5千万円となります。もう一つ、増えた自治体は喜ぶが、減ったそこは頭が痛い。

加えて制度の味噌は、全国津々浦々、返礼品への出費が増えていることです。前年度に続いてトップだった観音寺市は、おむつやペット用品などが人気で、こうした日用品を選んだ人の寄付額は前年度比1.4倍。一番喜んでいるのは国民ですから、ふるさと納税制度創設は大成功だと言えると思いますが、端的に言ってしまえば『さとふる』などのサポート業者の思い通りに踊らされています。自治体も、サポート業者の言いなりです。30%以上を返礼品送付に使っているとすると、2700億円が制度創設で市場に流れた金員となります。

それはそれで景気昂揚につながったわけで、政府としては大成功だと言えると思いますが、自治体は本来の姿、返礼品なしの対応が出来るように工夫が求められる。そんなとき、新たな返礼品を設ける動きも出て来ています。琴平町では本年度から、町の電子地域通貨『KOTOCA(コトカ)』を返礼品に追加。町内の飲食店や宿泊施設で利用でき、担当者は「実際に町に足を運ぶきっかけにしてもらいたい。送料がかからず、経費削減にもつながっている」と話している。

しかしこれとて、形こそ替えていますが返礼品であります。私はかねてより、自治体の『教育目的寄付』の下に公立高校の引出を設けて欲しいと請願しています。高松商は高松市に学校がありますから高松市の引出になるのかも知れませんが、高松市の23年のふるさと納税寄付額は10億4千万円で、前年から1億円超延びており、先の全国平均5億5千万円を大きく超えています。

公立高校と言えども、自治体からの交付金は激減しています。災害対策費やインフラ整備費は優先されますが、教育の現場の校舎耐震化などを別にすれば、人に対する交付金は減りこそしても増えることはありません。これからを展望しても、増額は期待出来ず、各校が創意工夫する毎日です。人への投資につながる教育分野へのふるさと納税、ここに直接の返礼品は無用です。これが本来の『ふるさと納税』ではありませんかね。



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| 社長日記 | 08:54 AM | comments (0) | trackback (0) |
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