社会福祉法人竜雲学園が経営する竜雲舜虹苑から、毎月機関誌『にじ』が贈られてきます。巻頭には、法然寺に関係する寺の住職が、多岐に渡る範疇から、今の話題をまとめています。今月の話題は、『風流踊』。香川憲司さんの許しを得て、一部転載させて頂きます。因みに『風流踊』は、『ふりゅうおどり』と読みます。私はユネスコ問題が浮上するまで、『ふうりゅう』と読んでいました。恥ずかしながら・・・。
昨年11月、『風流踊(ふりゅうおどり)』が、国連教育科学文化機構(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されました。日本各地の41件の伝統的な盆踊りや念仏踊りなどの伝統行事が、『風流踊』として登録されましたが、香川県の2件の行事もその中に含まれています。まんのう町の『綾子踊り』と、綾川町の『滝宮の念仏踊』です。
『綾子踊り』は雨乞いを祈願する小歌踊で、弘法大師の教えに従って踊ると雨が降ったことが始まりとされているそうです。『滝宮の念仏踊』は、時の国司菅原道真が降雨を祈願し断食を行ったところ大雨が降り、それを喜んだ農民が感謝の踊りを舞ったのが始まりとされます。後に讃岐に配流となられた法然上人が、『南無阿弥陀仏』と念仏を称えて踊るように振り付けをしたと伝わっています。
念仏というと、お寺や仏壇の前で静かにお称えするものだと思ってしまいますが、念仏踊りは全国各地で様々に伝えられています。苦しみの中にある人々に希望と救いを与えたのが、『南無阿弥陀仏』と称える念仏であり、その喜びが踊りによって表現されたのです。
現在浄土宗では念仏を、木魚をポクポクと打ちながらお称えいたします。この木魚も江戸時代以降に取り入れられたもので、お称えの仕方は時代と共に変化しています。お称えの仕方は変わっても、阿弥陀様の慈悲は変わることがありません。いつの時代も、どんな我々であっても見守って下さり、お救い下さいます。
一部割愛させて頂きましたが、概ね、原本を紹介させて頂きました。私も毎日、仏壇にむかい灯明をあげ線香をたむけて手を合わせております。そして先祖の遺影に感謝の一礼して、一日が始まります。