2023,02,05, Sunday
この前見た埼玉県の川越市は別かもしれないが、人口減少が加速し、空き地や空き家が増える地方都市。賑わいを創出するための一案として考えられたのが、『立地適正化計画』。策定した都市は、既に450に及ぶと言われています。高松市も『立地適正化計画』で、郊外の開発を抑制し、拠点となる地区の人口密度を上げようとしている。
同計画は市街化区域(高松市は線引きを廃止したため、市街化区域はなく旧市街化区域)の内側に住宅を集める『居住誘導区域』を設け、更にその内側を店舗や福祉施設などの立地を促す『都市機能誘導区域』とするもの。『居住誘導区域外』で、3戸以上の住宅開発などをする場合には届け出が求められる。事実上の規制だ。 高松市では更に条例で、旧市街化調整区域で開発行為をする場合には、その開発地までの公道等の幅員が5メートル以上を必要として、事実上郊外の開発を抑制している。理由は簡単で、住宅地が広範囲に及ぶと上下水道などの新規整備が追いつかない。また40~50年前に敷設した公管の、交換も喫緊の課題となっています。 このような背景から、自治体は居住誘導区域内の人口増を目指しているが、全国的にその目論見が功を奏している市町は案外少ない。金沢市は19年10月から居住誘導区域内での住宅建設(購入)に対して、最大100万円の奨励金を出す制度を始めた。同地区の中でも特に中心部となる『まちなか』では、150万円とさらに手厚い。22年末までの利用者は、335戸に上る。そのほぼ3分の1は、市外からの移住者だった。 青森県むつ市は居住誘導区域の外側に、3戸以上の住宅開発などを制限する『居住調整区域』を、全国で始めて設けた。宇都宮市や福山市のように、市街化調整区域での開発を広く認める条例を廃止した地域もある。高松市の5メートル条例も、稀な画期的な手法だと私は思います。この結果、高松市内での『田』の開発は激減した。関係者の嘆きもため息も、あちこちで聞こえる。 この一方で、公共交通の充実も必要だ。次世代型路面電車(LRT)を整備し、利用を促す富山では、その周辺への住民の転入が相次ぎ、沿線の地価も上昇している。高齢化が進行し、さらに運転免許返納が叫ばれる折り、公共交通が便利でなければ『郊外で暮らし、車で移動する』という生活スタイルを変えられない。私も大西秀人高松市長の発言から、富山市まで、LRTを見学に行きました。 このLRT構想は、高松市でも有効だと思います。肝心の投資対効果をどう均衡させるか問題は多いのですが、サンポート高松から中央通りに高松空港まで軌道を敷設する案で、合わせて電線の地中化計画も総合的に加味すると次世代のまちづくりへつながる。駅周辺を歩きやすい空間に変えて、賑わいが生まれた姫路市などの例もある。 自治体の中には、国から交付金が貰えるために計画を作ったところが実は少なくない。そうした地域は、計画を策定して終わりなのだろう。次の一手を自ら打ちださないと、地域は再生しない。高松市は、前例のない全国初で面白いプランを作って、地域活性化に挑戦してみてはどうだろうか。 |