2022,08,12, Friday
1918年のベーブ・ルースが達成して以来、104年ぶりとなる『2桁勝利と2桁本塁打』を4度目の挑戦で、米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平(28)選手が9日、カリフォルニア州オークランドでのアスレチックス戦で今季10勝目を挙げて達成した。神と称されるあのベーブ・ルースに、肩を並べたことになります。まだ神にはほど遠い大谷翔平選手は、人間として記録を塗り替えつつこれからも突き進む。
ベーブ・ルースはレッドソックス時代の1918(大正7)年に13勝、11本塁打(通算714本塁打)で2桁勝利と2桁本塁打の記録を作っている。あくまでも通過点という大谷翔平選手の次の目標は11勝だろうが、今期末までに13勝に届くかどうか。米大リーグ・エンゼルスは、とにかく勝てない。大谷翔平投手が投げても、急に打撃が爆発とは成らない。 それにしても若干28歳の大谷翔平選手とは、いかなる選手か。あくまでも謙虚で、不遜な態度は全く見せない。それが大リーガーの敵味方に伝わり、彼の成長と活躍を助けるまでには至らなくても、邪魔する選手は見当たらない。よく出てくるベーブ・ルースの孫さんも、大谷翔平選手の活躍を称賛している。 アメリカの宝であるベーブ・ルースを、日本人の大谷翔平選手が追い越すことに、新たな記録として評価してくれている米社会の反応は、称賛に値する。その要因一つが、先にも触れた大谷翔平選手の謙虚な態度だろう。「どいや神様ベーブ・ルースに並んだぜ」的な発言をすると、集中砲火を浴びかねない。大谷は人間性でも、世界に冠たる存在になっている。日本人の誇りであります。 心配されるのはコンディションの維持ですが、大谷は臨機応変な調整で、好不調の波を最小限に抑えていると報じられている。投手をしながら、ほぼ毎試合打者として打席にたっている。休養日がない超ハードなスケジュールのなか、担当する寺田庸一トレーナーに相談しながら調整しているようだ。異国の地で、そんなことが出来るのかと訝るが、逆に知らない地で遊ぶこともないようだ。 あの偉大な長嶋茂雄氏は、試合後銀座で飲んで帰ってバットを振る。王貞治氏は、バットを振ってから飲みに行っていたと言われている。長嶋茂雄氏の酒量はほどほどだったが、王貞治氏は、酒豪だった。それが普通以上のスターの行状で、大谷翔平選手のように球場とホテル(自宅)の往復という選手は皆無だろう。 昨季14度を数えたクオリティースタート(6回以上を自責点3以下)が、今季は9日の試合で11度目と安定感が際立つ。しかし仲間が打たないから、勝てない。これが記録への壁なのだろうか。自分の力が充実していた時は仲間の援護がなく、自分の力が萎えてきた時、仲間が想像以上の力を発揮してくれる、それが野球だろう。 7勝目を挙げた6月29日(水)の試合で腰を痛めた大谷翔平選手は、翌日の休日は3時間以上も先の寺田庸一トレーナーの施術を受けたという。日本から持ち込んだ回復機器も使用していると思われるが、睡眠食事日常生活で、大谷翔平選手は大記録へ一歩一歩前へ進む。9日の試合では、25号ホームランも打っている。マリナーズの、イチロー外野手(45)=本名鈴木一朗氏の記録も超えた。上には松井秀喜の記録がある。 |