「まつのさん12年ぶりです」と磯崎仁彦候補は、いつもの笑顔を向ける。勿論この間にもお目にかかっているのですが、『初陣以来の出陣式』と彼は言いたかったのでしょう。第26回参院選は22日公示され、7月10日の投開票に向けて18日間の熱い選挙戦がスタートした。今回の香川選挙区には8人の候補者が立候補し、全国でも稀な選挙区だと思います。こうして見ると選挙戦にも、時代の波があるようだ。
野党林立で現職の磯崎仁彦内閣官房副長官が有利だと言われていますが、選挙は魔物、何が起こるか分かりません。私は23日(22日に行っても投票出来ない)から始まる『期日前投票』に行きます。磯崎仁彦候補は1983年4月、東京大学を卒業し全日本空輸に入社。大阪や本社で27年間勤務、2010年3月、CSR推進リスクマネジメント部長を最後に退社。
同年、丸亀市出身の彼は自民党香川県連の公募に一般人で唯一応募し、第22回参議院議員通常選挙の自民党公認候補予定者として選ばれる。 2010年4月、自由民主党香川県参議院選挙区第1支部支部長に就任。そして2010年7月、第22回参議院議員通常選挙の香川県選挙区に自由民主党から出馬し、高松市副市長で無所属の岡内須美子を約4万5千票差で破り、初当選。この時は一騎打ちでした。
これまでの12年間は、自民党香川の表の顔が平井卓也衆議院議員だとしたら、裏の顔として香川の議連をまとめ、中央においては『経済産業大臣政務官兼内閣府大臣政務官』や『内閣府副大臣兼経済産業副大臣』を経て、現職の『内閣官房副長官』として職を全うしている。3回目当選で、一般的には早いと思うが大臣就任の目も出てくると期待する。順当なら経済産業大臣だと思うのですが、初大臣として経済産業省は荷が重すぎるか。
雨模様の出陣式前、ステージ下に控えていた磯崎仁彦候補のところへ、1人の老婆が歩み寄っていました。私より少し先輩だと思いましたが、彼は丁寧に話を聞いて、頭を垂れていました。その人は一般人だと思いますが、舞台へ上がる前の寸暇を惜しんで彼はこんな一票も確実に拾っています。何としても当選させたい候補者、香川の宝です。政治家も人の子、民間企業を飾りでなくて真剣に経験するのは、その後の政治家としての幅と深みを作ります。
今回の香川選挙区のように、素人が乱立するのは民主主義としては歓迎するも、街頭ポスターも貼らず、選挙活動も全くしない候補者が立つというのも、私は如何なものかと思います。選挙には供託金制度があり、あまりにも少ない得票率の立候補は、国から供託金を没収されますが、それを承知ならこんな人をバカにしたような民主主義もあるようです。自腹でなく党が払ってくれたら、名義貸しです。