2021,11,07, Sunday
全日本大学駅伝は7日、名古屋市の熱田神宮から三重県伊勢市の伊勢神宮までの8区間106.8キロで争われ、駒大が下馬評以上の走りの5時間12分58秒で2連覇を達成し、歴代最多を更新する14度目の優勝を決めた。8秒差の2位に、青学大。10月の出雲全日本選抜駅伝を征した東京国際大は、5位にとどまった。手に汗握る7区・最終8区の争い、母校のタスキに男の意地をかけた戦い、見事でした。
優勝した駒大は、4番手でタスキを受けた7区のエース田澤廉が好走し、トップに立った。大会前、駒澤大陸上競技部大八木弘明監督も田澤廉主将も、自分たちの優勝は難しいとみていた。田澤廉に次ぐ力を持つ鈴木ら主力数人を、故障で欠いていた。最高の布陣は組めず、3位以内が目標であったなかでの栄冠。田澤廉は、「ベストでないメンバーで勝てたのは大きい」と語る。10月の出雲駅伝は、5位に終わっていた。 駒大と、青学大の一騎打ちにもつれ込んだ8区。中盤で追いつかれ、後ろに付かれた駒大花尾は「余裕はあった、相手は一切見ていなかった」と残り約2キロでのスパートで逃げ切り、2連覇をあらわすように両手の人差し指と中指を立ててゴールテープを切った。7区田澤廉は首位と1分36秒差でタスキを受け、猛然と前を追った。そしてタスキを一番前へと運んだ。 一方青学大はアンカー勝負で、飯田主将が競り負けて準優勝。飯田は2年前、首位で走り出した8区で東海大に逆転され、優勝を逃した経験がある。今年は、トップと18秒差の2位でスタート。8キロ走ったところで駒大に追いつき、並走して駒大の出方をうかがったが、終盤の上り坂で体力を消耗。約2キロの、ロングスパートに耐えきれなかった。2人が区間賞を獲得した一方、2人が区間2桁順位だった青学大。どのチームも、台所状態は大変のようだ。 最終の8区、並走する第1集団の2人を見ていて、どちらがどう仕掛けるのかハラハラしながら見ていた。どこかで仕掛けないと、優勝はない。しかし自分が仕掛けて相手に追いつかれたら、逆に相手に離される危険をはらんでいる。互いに駆け引きを演じるのだが、マラソンは先頭が風を切るから2位の位置が体力温存と言われる。しかし2人はそんな手も使わず、文字通り並走が続く。そして駒大アンカーの花尾恭輔選手が、残り2キロ坂を利用して飛び出し、そのままゴールテープを切った。 またこの試合も次回大会のシード権がかかっており、駒大・青学大・順大・国学院大・東京国際大・早大・明大・中大までの8チームが来年のシード権を獲得した。以下は、予選会からの挑戦になる。今大会は、オープン参加2校を含む27チームが参加した。出雲・大学選手権・箱根の駅伝大会が、日本三大駅伝と呼ばれて、各校選手や監督関係者がしのぎを削る。次は箱根駅伝だ、これがまた面白い。 |