お客様で、「過去にウグイス嬢」を長くやっていたというご婦人が来店されました。世間話している際に、弊社創業者(つまり私)の似顔絵看板が、選挙活動に役立つという話題になりました。ご婦人は、東京在住の頃から国政選挙・都議選挙へ担ぎ出され、帰省しても暫くはマイクを握っていたとカミングアウト。その経験から、あの似顔絵は選挙戦略に有効だと太鼓判を押され、「立候補しませんか」と水を向けられた。
あの看板はもう35年以上前の私の顔がモデルですから、髪の毛が白くなったとか、しわを入れろとか、いろいろ言われておりますが、私は会長で、社長の判断で段々表に出ている枚数も減ってきています。今回の衆議院選挙でも、『世代交代』は顕在化してきています。私も立候補する気はありませんが、あの看板の似顔絵は、我ながらよく出来ていると思っています。くつわ堂瓦せんべいにあの絵の刻印は、特にお詫びに活躍してくれています。
そのウグイス嬢は百戦錬磨、生涯負けたのはただの1回の選挙だけだと、思い出したのか心持ち肩を落とします。都会での選挙では、ウグイス嬢がチームで、その候補の『キャッチフレーズ』をつくるのだそうです。女性目線で作り、候補者が「これは良いですね」となるとまず外れたことがないそうです。逆に負けた選挙は、全体を通じて候補者が熱心に運動せず、言わずもがなの敗戦だった。
これを聞いて思いだしたのが、衆院選岩手3区で立憲民主党の小沢一郎氏(79)が選挙区で敗れたという開票結果(比例復活)。かつて圧倒的な強さを誇った牙城は、支持層の高齢化で『世代交代』の波にのまれた。また相手自民党の藤原崇氏(38)、『政権交代より世代交代』というフレーズが、17回連続当選の小沢王国を倒した原動力の一つになったのだろうか。
私は1億5千万円の政党からの選挙資金を貰った選挙で、夫婦してウグイス嬢に日当1.5万円以上の支払をしたと言われていた河井案里候補の選挙を例に出し、「日当1.5万円は安すぎるのでは」と申したのですが、「日当は1.5万円も貰っていなかった」と告白。河井案里候補の証言も、一概に偽証とは言い難いと思いました。
今回の選挙の総括は各紙各局がやっていて、私がとやかく言う類いのモノではありませんが、『これまでの選挙に変化』があったというのもうなずける。開票の翌日、候補者を応援していた市議県議先生からお礼の電話がありました。これは、今までと変わらない現象です。翌日の当選御礼の辻立ちも、同じであります。ところが、おやおやと思ったことがありました。
1台の選挙カーが、移動中のマイカーのたまたま後から着いてきたのです。選挙が終わったらもはや選挙カーとは言わないかもしれませんが、そのスピーカーから、「公約に基づいて今日から実践しています」という意味の当選者先生の声が入っていました。国民民主党の玉木雄一郎党首の声でした。いつまで街宣するのか分かりませんが、こんな街宣車に遭遇したことはありません。
「当選前には頭を下げ、当選した途端にふんぞり返る議員さん」という川柳もあったのを思い出しました。確かに今度の選挙、投票率もさほど上がりませんでしたが、期日前投票は増加。当日行く人が期日前に行っただけのことかもしれません。18歳の投票率が高く、19歳は極端に低い。些細なことですが、何かが違って来ているように感じます。