2021,04,28, Wednesday
日本航空(JAL)は26日、2021年3月期の連結最終損益(国際会計基準)が、2870億円の赤字(前期は480億円の黒字)になったと発表した。通期ベースでは2012年の再上場以来初めての最終赤字だが、従来予想(3000億円の赤字)からは130億円縮小した。新型コロナウィルス禍のなか、国内線の旅客需要が最悪想定を上回ったほか、コスト圧縮も寄与した結果だ。
売上高にあたる売上収益は前の期比65%減の4810億円と、従来予想より210億円上方修正した。特に3月の国内線需要はビジネス利用を中心に回復し、コロナ禍前に比べて70%減という会社想定を5ポイントほど上回った。貨物輸送の単価が上昇したことも、売上を下支えした。航空需要の減少を受け、減便や機材の小型化を進めたり、社員の出向を拡大してコストを圧縮した。 一方これに先立ち、日本航空(JAL)が中国系の格安航空会社(LCC)の春秋航空日本(千葉県成田市)を、連結子会社化する方向を固めたことが25日分かった。6月中にも数十億円規模を追加出資し、保有する株式の割合を51%以上に引き上げる。新型コロナウィルスの流行が終息した後、観光需要を積極的に取り込む狙いがある。 日航は現在、春秋航空日本に約5%出資している。観光需要がビジネス需要よりも早く回復するとみて、中国からのインバウンド(訪日外国人客)を増やすには、中国企業との連携が必要と判断したとみられる。中国からのインバウンド客が直ちに増えるとは考えていないが、3年5年と先を見ると、必ず回復すると読んでいる。詳細は、来月7日に公表する中期経営計画で明らかにする見通し。 観光つながりで申せば、この年末年始のハワイ観光客の予約状況は、航空機・ホテルともにほぼ満杯の好況を呈していると聞く。私も年末までには、新型コロナウィルスも恐らく治まると考えています。現在でも米国の学生は、暖かいフロリダに殺到していると言う。新型コロナウィルス感染縮小に合わせて、世界中が動く日が必ず来ると信じています。 日航は昨年11月に公募増資などで約1800億円を調達し、このうち100億円を春秋航空日本と、日航が50%出資している格安航空会社LCC、「ジェットスター・ジャパン」(千葉県成田市)の2社への投融資に充てると発表している。航空業界は既にコロナ後を見通して、次の一手を打っている。時速500kmで飛ぶビークル業界は、先読みも実に速い。 |