2020,12,22, Tuesday
大都会を中心に高級車を狙った窃盗が増えているが、盗みの痕跡を消す巧妙な手口が警視庁の捜査で明らかになったと、日経新聞がスクープしている。車両1台ごとに与えられた『車体番号』を実在した輸出車のモノと偽り、再輸入を装って車検を通すやり方だ。「クルマの『戸籍』のロンダリング(洗浄)」は盗難車の売買を活発にされかねず、国土交通省も警戒を続けている。
盗んだクルマは、そのまま車検場に持ち込めば車体番号の照会で、盗難車と判明してしまう。しかし再輸入車を偽装することで、職員の目を欺き、車検に合格しようとしたとみられる。逮捕された窃盗クループのメンバーとみられる男らは、実際に輸出された別のクルマの車体番号を何らかの方法で入手して打ち替えたようだ。 同じ番号を盗難車のフレームなどに打刻すると共に、偽造した「自動車通関証明書」にも記入して職員に提示していた。証明書の印影が不自然だったことから事件が発覚した。中国人の偽パスポートの『印』は、『いも判』だと言われている。不正に合格していた盗難車は、フェラリーやレクサスなど、20台以上あったとみられる。国土交通省もメーカーに対し、製造段階で決めた車体番号を国に提出するように義務づけているのだが。 「所有者によって変わる『車両番号(俗に言うナンバープレート)』がクルマの住民票なら、車体番号はクルマの戸籍にあたる。それを偽装し、中古車市場で売りさばいていたモノとみられる。中古車業界の関係者は「車体番号が改ざんされ、車検証も発行されていたら、盗まれたクルマだと見抜くのは難しい」という。捜査幹部は「盗難車の売買市場が拡大し、需要に合わせてクルマの窃盗自体が増える恐れがある」と懸念する。 私も車体番号が、書き換えられていることは知らなかった。打刻していて、簡単に消えるモノでもない。摩擦で消しても痕跡が残るだろうに、手口も巧妙化しているようだ。例えが妥当か分からないが、飛行機は同じように機体番号があるらしいが、これとは別にエンジンにも固有番号が振られているらしい。飛行機エンジンはロールスロイス製、機体はボーイング社製では当然のことかもしれない。 クルマも車体とエンジンの両方に固有番号を持つのも手だが、両方書き換えられたらこれでも分からなくなる。何か、窃盗団をぎゃふんと言わせるアイディアはないモノだろうか。『盗っ人』に負けていては、鬼の平蔵に笑われる。 |