政治・経済から対中戦略まで大激変の裏と表と題して、何と元山口組系組長/評論家猫組長(菅原潮)氏と、経済評論家渡邊哲也氏の対談です。2020年9月30日第1刷が出ています。比較的最近の話題と将来予想が、ふんだんにちりばめられている作品です。経済評論家渡邊哲也氏は、巣ごもりが続く私のところに飛び込んで来たメールで存在を知りました。その後何冊か、読ませて頂きました。
(中略)すなわち「暴力団」や「マフィア」は、健全な社会の中に存在する「国家」のミニマムモデルと言うことになる。そうした黒い社会で、ドルが支配する石油ビジネスに直接かかわって生きて来た私こそ「国家」の適切な解説者だと自負している。私に不足している「表の世界」の知見については、渡邊氏に頼ることばかりだ。
むしろ氏でなければ私の特殊な世界観を理解できない。本書では、私が「裏」を担当することで一般の対談本にはない鋭い切り口と深みを持たせることが出来ている。渡邊氏への感謝は満腔(からだ全体)の者である。米中戦争の緊張は、中国の人災とも言えるコロナ感染拡大によって格段ステージアップとなった。
米ソ冷戦において東西の接点がヨーロッパであったのに対して、米中戦争では日本、台湾がフロントラインとなっている。その渦中で、日本は「安倍晋三」という外交のプロを失った。与党、朝日新聞を代表とするメディア、市民運動などレガシーなリベラル勢力が自滅する中、菅義偉氏が率いる新政府によって日本の経済、政治、安全保障はどこへ行くのか。猫組長(菅原潮)
(中略)この構図はヤクザ社会とほぼ類似系であると言える。同時に金と権力は表裏一体であり。それは力である。どんな綺麗ごとを並べたところで力を失ったものからは人心が離れてゆき、金も離れてゆく、また一度裏切った人間は何度でも裏切り、筋を違えばそれが最後に自分に返ってくる。これは政治だけの話ではなく、人間の行動原理であり、すべての組織や社会活動に共通する不変の真理でもあるのだ。渡邊哲也
最後にその中で私が特に気になった箇所を抜き出します。渡邊氏の発言ですが、さらにバイデン氏には、痴呆症など健康問題の指摘があります。アメリカでは大統領が職務の遂行が不可能となった場合、大統領が昇格します。民主党でその重職に指名されたのはジャマイカ系の父とインド系の母を持つカマラ・ハリス氏です。ハリス氏は黒人初のサンフランシスコ市長の愛人だった過去があり、かなり美貌です。
政治の世界も、裏と表があるようです。徳間書店1,600円+税