2020,10,28, Wednesday
国土交通省が、高速道路の利用を段階的に『自動料金収受システム(ETC)車』に限定する方針を打ち出した。まずは都市部で、5年をメドに専用化する。料金所に常駐する職員を減らし、高速道路会社の経営を効率化すると共に、渋滞の緩和を狙っている。私などETCを利用している者からすると、利用していない人の気持ちが分からない。止まる時間もなく、現金もいらない良い改善だと、賛成します。
ETCの利用率は首都高速道路や阪神高速道路では96%程度、NEXCO(高速道路会社)3社なども含めた全体でも既に93%近い。しかし、現金で支払うクルマが1台でもある以上、料金所には職員を常時置かざるを得ない。例えば、首都高には現在、料金所が約180あり、関連する職員は2,000人に上る。ETC専用になれば職員の配置を効率化できるし、利用者の要望に応じて出入口も増やしやすくなる。 県下でも地元自治体が主体となって、ETC専用の出入り口を新設している。ETCカードを持たない人は利用できないだけのことで、大きな支障はないと私は思っています。ただ支払の、『クレジットカード契約』を結べない人が存在するのも事実。ETCには後払いでなく、口座から直接料金を引き落とす『パーソナルカード』もあるが、保証金が最低でも2万円かかることもあって会員数は10万人程度にとどまる。 これまで日本の行政は、『弱者保護』を社会福祉の中心概念として動いたように感じます。障害者や老人などの弱者保護は当然のこととしても、ETCカードを持つのも持たないのも自由で、持たないという考えの人が『弱者(数が少ないマイノリティー)』を主張して、その者たちを優遇する必要はない。わがままとまでは言わないが、参加しないのであれば高速道の利用は諦めてもらうのも選択肢の一つだと思います。 また日経新聞10月26日(月)の新聞には、このETCを利用した『日本ケンタッキーフライドチキンの相模原中央店』の事例も紹介されている。いま読者が想像されているように、ドライバーがドライブスルーのゲートで注文をしてETC払いを通告すれば、停止線の上部に簡易なETC用アンテナが設置されており、支払額を読み込んで清算が終わるという仕組みだ。これは多くの汎用性を内蔵して、波及が期待される。 ETCが本格導入されたのは、JR東日本の『Suica(スイカ)』と同じ2001年。スイカは、今や財布代わりだ。私でも、東京へ行くことがなくなったのでスマートフォン(スマホ)に入れて、コトデンでも利用している。飲食店の店舗でも、利用できることがある。ドライブスルーやゲートスルーでの活用は、ETCの付加価値を高める戦略の一つになる。ETCが目指す将来の姿も同じだろう。 自動料金収受システム(ETC)の活用は、先に述べたように地域活性化にも役立つ。国土交通省は現在、双方向の通信機能があるETC2.0を搭載したクルマを対象に、高速道路から一時退出しても『初乗り料金』を再度徴収しない実証実験をしている。同じインターチェンジ(IC)から再び乗ることが条件となる。全国21県23カ所の『道の駅』を利用する場合とされているが、名物ラーメンを食べに行っても良いわけだ。 残念ながら香川県下には恩恵がまだないようだが、香川日産の植原賢氏に尋ねると、ナビと組み合わせたら一層効果が出るという。そのためにはETCとナビシステムの交換が必要となる。こうなれば私がかねてより不満に思っていた措置もクリアーになるかもしれない。それは高速道路の原則100キロ走行が出来なかった場合、その分を減額するという考え方。 新幹線は1時間以上延着したら、新幹線特急料金を返還する。その位の責任を感じながら、新幹線は運行されている。高速道路も事故や改修工事のために減速する箇所がある。高速道路は時間を料金と交換するシステムであります。であるならば、ばんやもう得ず減速したところは料金を減額するのが当然ではないか。 高速道路は有り難い。四国のような狭いところに高速道路が要るかと考えていた若い頃の私。古希を迎える頃になって、頻繁に高速道路を使っています。過日の高知移動も、高速道路を利用して、選手も2日間高速道路で移動していました。もちろん応援団も、高速道路を使い、疲れもありましたが、翌日から元気に仕事をしています。 |