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中国大崩壊入門by渡邊哲也
これまで主にコロナ休暇を利用して、渡邊哲也氏の著書を3冊読破しました。これまで存じ上げなかった「経済評論家」で、知ったのはどこでだったか覚えていない。良さそうな本は、発刊の前後を問わず無計画で読んでいます。結果から言うと、これまで私が読んできた氏の本は、出版とは全く逆の順番に読んだことになります。そうすると一般的には、飽きるのですが。

まず4月29日の小欄に、「新型コロナ恐慌後の世界」(1刷2020年3月31日)の読後感を掲載しています。新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、これからどうなるかという展開だが、根底にはコロナ感染拡大前の「米中貿易戦争」がある。次は、5月6日に掲載した「2021年世界経済リスク入門」(2019年12月31日)だが、これはコロナ感染前の文字通り「米中貿易戦争」が描かれている。

そして本日紹介する、「中国大崩壊入門」(2019年7月31日)もコロナ感染前の「米中貿易戦争」に日本がどう関係するのかなど、興味の尽きない話題が網羅されている。このように3冊を比較してみると、確かに発刊された順では後先が真逆ですが、同じテーマでありながら不思議に飽きないのです。それだけ、新ネタが多く含まれている。

とりわけ一番面白かったのが、最初(私が持っている氏の本の中で)に発刊されているこの「中国大崩壊入門」です。例によって拾い読みしてみると、2018年7月以降アメリカは中国からの輸入品に相次いで制裁間税を科し、中国がそれに応酬するカタチで米中戦争が激化、以後、世界中で両国の対立が表面化している。

その象徴が、ファーウェイ(華為技術有限公司)であります。ファーウェイへのアメリカ企業の輸出禁止措置についても、あたかも撤回されたように報じられたが、結局アメリカ側は「禁輸措置が緩和されるのは、あくまでも安全保障問題を生じない低技術の半導体」に限るとし、ファーウェイは相変わらず禁輸リスト(EL)に留め置かれているのです。

アメリカはファーウェイを制裁対象から外すどころか、さらにファーウェイ関連の制裁対象企業を増やしていこうとしている。それは、米中貿易戦争が単なる経済的な争いではなく、「文明の衝突」ともいえる対立だとアメリカは考えている。それにアメリカは、日本を通じて韓国をも踏み絵の対象にしている。もちろん日本にも、駄目出しサインを送っている。ハッキリ中国とは、付き合うなと言わんばかり。

2019年7月4日、わが国もレーダー照射や徴用工問題などをめぐり、「フッ化ポリイミド」「レジスト」「フッ化水素」の3品目に対する韓国への輸出規制をかけた。さらに8月中旬から韓国を、「ホワイト国」(貿易において優遇措置が適応される安全保障上の友好国)から除外すると発表し、その扱いを徹底していて緩めていない。日韓の問題だが、アメリカの影も見え隠れする。韓国メーカーが生産を中断した場合、その恩恵を最も受けるのはアメリカのマイクロテクノロジーである。

日韓関係の根底には、1965年に締結された「韓国基本条約と請求権協定」によって日本統治時代のことは全て完全解決し、これにより国交回復を果たしたという両国の取り決めがある。しかしいわゆる「徴用工問題」は、これを覆すモノだ。韓国は国交回復の際に解決金と経済援助を受け取り、国内の賠償問題などに関しては韓国政府が責任を負うとした。この根底が崩れれば、その後に結ばれた韓国との全ての条約などの根底が覆る。

この問題は、「日韓基本条約と請求権協定」が韓国の国民に開示されず、多くの国民が、韓国の発展の礎となった1960年からの「漢江の奇跡」と呼ばれる高度経済成長が、日本の資金と技術援助により成り立っていることを知らされていないことが根底にある。これを、根底から覆す必要があるのだと思われる。

日本が韓国への輸出規制を強化させたのとほぼ同時期の2019年7月8日に、イランが2015年の核合意で制限された範囲を超えるウラン濃縮活動を再開することを発表した。アメリカは、イランの核合意違反の裏に中国・韓国の影を感じている。韓国向けフッ化水素が、イランにも渡っていた可能性が指摘されている。日本政府が、韓国に不信感を持つ一つの理由だ。

長くなるがこの際、少し歴史を振り返ってみよう。中国は1976(昭和51)年まで続いた文化大革命で、経済が極度に疲弊したため、毛沢東の次の最高指導者となった鄧小平は70年代末から、外国資本を招き入れて経済を発展させようという、いわゆる「改革開放」路線を打ち出した。そこに、1990年代初頭の旧ソ連崩壊による東西冷戦の終わりが重なった。アメリカの一人勝ちとなったことで、アメリカ型の経済ルールを世界に広める、いわゆる「グローバリズム」が時代の潮流となった。

そして1993(平成5)年11月、EU(欧州連合)が発足し、グローバリズム(ヒト・モノ・カネの自由な流れ)が一気に拡大した。巨大な敵がいなくなったが故に、西側陣営には大きな政府は不要となり小さな政府が指向され、すべての経済活動は市場のシステムに委ねるべきで、政府は介入すべきでないという「新自由主義」が唱えられるようになった。

この世界的なグローバリズムの流れにうまく乗っかったのが、改革開放政策を推し進めていた中国をはじめとする発展途上国であった。先進国の外国企業を誘致し、海外資本や技術を自国に招き入れ、急速に発展していった。その典型がBRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ共和国)であろう。

そして2008年、金融主導型社会下では、世界的にマネーゲームが活況を呈し、さまざまな金融商品が生まれた。その一つが、返済能力の低い債務者の住宅ローン(サブプライムローン)を証券化して、世界各国の投資家に販売されたデリバティブ(金融派生商品)だった。アメリカの住宅等不動産の値自体が、どんどん値上がりした。

2008年、このサブプライムローンが不良債権化することにより、世界中で売りさばかれたデリバティブ商品が大暴落、こうした商品を多く抱えていた金融機関が次々と倒産した。これが2008(平成20)年の「リーマ・ショック」である。「リーマ・ショック」によって、巨大化したアメリカ、イギリス、ヨーロッパ西側先進国の金融は大きなダメージを受けた。

カネは血液、金融機関は心臓ポンプにたとえられるが、そのポンプが壊れてしまったわけだ。そして大量の不良債権を抱えた欧米の銀行が資産を売却、それを買い漁ったのが中国をはじめとする新興国だった。ここ数年、世界の金融機関の総資産トップ5のうち、4行が中国の国有銀行といった状態が続いており、かつての欧米金融などは見る影もない。このようにリーマ・ショック以降、西側諸国が弱体化する一方で、中国の巨大化・肥大化がモノ凄い早さで進んでいったのだ。

2018年12月に、ファーウェイCFOである孟晩舟がカナダで逮捕されて以降、日本でもアメリカのファーウェイ排除の問題が大きな話題となった。もっとも、日本ではあくまでアメリカと中国の問題であって日本は関係ないとばかりに、相変わらずファーウェイ製品が売られ続けたが、2019年5月にNTTdocomo、au、ソフトバンクがファーウェイ製スマートフォンの販売延期や予約中止を発表すると、ファーウェイ製品に対する不安が一気に広がった。

しかしこのような事態になることは、2018年8月13日にすでに確定していたことなのだ。この日、アメリカで2019年度の国防権限法が成立し、1年後の2019年8月13日からファーウェイ、ZTEおよび警察などの特定用無線で世界シェア1位のハイテラ(海能達通信)、監視カメラ業界で世界シェア1位のハイクビジョン(杭州海康威視数字技術)、同2位のダーファ(浙江大華技術)の中国企業5社とアメリカ政府関係機関との取引禁止が決定された。

さらに、2020年8月13日以降は、この中国企業5社の部品を組み込んだ製品を使用している企業が、アメリカ政府機関との取引禁止の対象となることが決定している。例えば、日本のトヨタ自動車がアメリカの政府機関に自動車を納入しようとすると、この中国5社の製品を社内から完全撤廃しなければならない。

しかも、別のメーカーの製品であっても、内部にこれら中国5社の部品が組み込まれていればアウトであり、アメリカ政府機関との取引禁止の対象となる。そしてアメリカ商務省はファーウェイおよびその関連会社69社を禁輸措置対象のリスト「エンティティ・リスト」(EL)に加え、アメリカの技術及び製品の輸出を禁止した。

これはアメリカだけの問題ではなく、アメリカの技術や製品を利用した第三者・第三国の商品輸出についても、再輸出にあたるため適用される。具体的には、ある製品の部品や技術において、アメリカ製の割合が25%超であるものについては、輸出禁止商品となるというから日本も恐ろしいことが起きる。

たとえば「日本製」であっても、アメリカ原産技術やアメリカ製部品が25%(テロリストなどに関しては10%)含まれた商品をELリストに記載された中国企業に輸出した場合、これを輸出した日本企業はアメリカ商務省のDPL(取引禁止顧客リスト)に掲載され、アメリカ企業との取引や、他国からのアメリカ原産技術を含む商品の取引が禁止されるわけだ。

さらに強烈なのは、ヒトへの技術移転も「みなし輸出」として禁止されていることだ。そのため、ファーウェイ関連企業への技術供与や、共同研究開発なども出来なくなる。また中国人学生のアメリカ留学は、1年更新のビザになり、卒業の保証はないものになっている。アメリカは西側諸国へも、「アメリカ」か「中国」かの踏み絵を踏ませている。

これらは一見トランプ大統領の暴走のように見えるが、これはアメリカ合衆国議会の総意であり、国防権限法もFIRRMAもECRAもアメリカ議会によって成立した法律で、既に施行されている。たとえ民主党の大統領(トランプ大統領は共和党)が就任しても、更に過激にはなっても、収まる気配はない。アメリカは本気で、中国共産党を潰そうとしている。

日本では、そのことを理解していない経営者が多い。一番の問題は、日本のTV・メディア・新聞社がほとんどアメリカの法律の存在を報じないことだ。それでいて「トランプがああ言った、こう言った」と言うことばかり報じるから、国民の方も振り回されるわけだ。メディアは少なくとも法律に書いてあることくらいは、国民にちゃんと伝えるべきだろう。

この一冊によって、私は渡邊哲也氏から多くを学んだ。新型コロナウィルス発生から、小欄が長文になって面白くないという意見も多いのだが、そのくらい会合等の時間が浮いてきたのだ。一番は「密閉・密集・密接」を避けるため「集会」がなくなり、「リモート会議」が増えた。新型コロナウィルス感染症が収まっても、この傾向は続くと考えられる。




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| 社長日記 | 09:40 AM | comments (2) | trackback (0) |
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