三豊市仁尾町沖の瀬戸内海で水揚げされた「初ダイ」の競りが19日、仁尾町漁港であり、春の訪れを告げる縁起物としてご祝儀相場の30万円で競り落とされたようだ。同漁協では、今月15日の定置網漁解禁以降に揚がった重さ3キロ以上の1番ダイを、「初ダイ」と定義している。毎年この頃に「初ダイ」の知らせが、春の訪れとして報じられている。
仁尾町沖はこの時期イカナゴが入ってきて、それを追うようにタイがやってくる。それを仁尾の漁師が、文字通り一網打尽に収穫する。築地や豊洲市場では、大間のマグロのセリが有名でテレビでも取り上げられるが、仁尾漁港の初ダイも、瀬戸内海沿岸の人々には多いに関心事でこうして地元の四国新聞では必ず取り上げられています。
今年は体長64センチ、重さ3.5キロの初ダイが、昨年と同じ17日に仁尾町蔦島の南300メートル沖で、今川総志さん(43)の定置網に入った。今川さんが初ダイを水揚げしたのは、10年ぶり2度目の幸運だという。セリは末広がりの意味を込めて8万円から始まり、地元で鮮魚店を営む河田通さん(66)が、2年連続で競り落とした。
その河田さんは3年前に亡くなった今川さんの父親と幼なじみで、「50万円でも絶対競り落とす」と心に決めていたようで、その初ダイは高齢者施設にプレゼンするとか。「新型コロナウィルスの影響で嫌な雰囲気の中だが、少しでも喜んでもらえれば」と話していたそうです。大間のマグロの、出しゃばり社長と違っていい話ですね。
こんな話題に触れると、「下手な横好き」で私も一丁揚げたろうかと血湧き肉躍る。オイスカ四国研修センター長の小野隆さんの実弟が、このあたりで船を所有していて、一度3人で海に出たことがあります。私は釣りもへたなのですが、行くのは好きで、無理を承知で連れて行けと強要しています。
昔は「エビでタイを釣ると」言う例えもあるほど、餌はエビに決まっていましたが、最近の瀬戸内海でのそれは「鯛ラバ」という疑似餌で釣ります。とは言ってもその「鯛ラバ」にも秘密があって、重りを鉛かタングステンか、海の中をヒラヒラするネクタイの色は何色かと、やはりこのあたりも名人には敵わないのであります。
ここ瀬戸内海地方では、「春は選抜から」という言い伝えがあります。また関西四国地方では、奈良県東大寺二月堂の「お水取り」が終わると春がやってくると言われています。その甲子園大会も、新型コロナウィルスの影響で中止になって、香川県代表の「尽誠高校」は、選手も生徒も関係者等も大変な思いをしていると察しますが、悪いことは忘れて、前へ心を進めるしかないですね。