2020,01,28, Tuesday
大相撲初場所千秋楽は26日、東京両国国技館で行われ、西前頭17枚目徳勝龍(33)=本名青木誠、奈良市出身、木瀬部屋=が結びの一番で大関貴景勝を力強く寄り切って14勝1敗とし、初優勝した。幕内最下位の幕尻力士の優勝は、平成12年春場所の貴闘力以来二人目の快挙。千秋楽の結びで、幕尻力士が相撲をとるのは、昭和以降で初めてだった。
私も白鵬、鶴竜がともに序盤戦で途中休場して横綱不在の中、おもしろくないなと横目で見ながら、14日目に一敗同士の平幕対決で有利と言われていた正代に勝った徳勝龍(33)を、密かに応援し始めたのです。33歳5ヶ月での初優勝は、大学出身力士だとしても遅い。年6場所制となった58年以降で3番目の年長で、日本人では最年長者。 初優勝を決め、土俵上で泣く姿にも、優勝インタビューも共感した。元横綱稀勢の里の荒磯親方や、大関豪栄道と同じ昭和61年生まれ。近畿大学時代の華々しい戦績を引っ提げてプロ入りしたが、彼の歩みを見ると、遅咲きの大輪と言える。また奈良市出身と言いながら、高校時代は高知に寄宿し、明徳義塾高を卒業している。 最下位の下克上は、もはや白鵬や鶴竜の時代ではないことを証明した。近大時代の恩師伊東勝人氏の急逝(場所中の18日)もあったりして、その後の取り口は伊東監督の教えを思い出したか、突き出し一本で勝ち続けた。どの親方か忘れたが、徳勝龍の得意技は突きより「左四つ」とアドバイスしたというのを聞いたが、この親方も偉い。徳勝龍もこのアドバイスに、素直に従ったのは偉い。 初優勝したモノの、最下位であったがために上位陣との対戦がなかったのも今場所の特徴だろう。千秋楽に大関貴景勝とぶち当たったのが唯一の上位との一戦だが、大関にも負けないがむしゃらの徳勝龍の姿が大きく見えた。土俵下ではいろいろ賛否両論だろうが、徳勝龍が優勝したのは紛れもないことだ。素直に、賛辞を贈ろうではないですか。 あくまでも結果論ですが、上位力士がモンゴル等出身ばかりでは、正直おもしろくない。相撲は国技ですから、オリンピックとちがい、外国人枠をもう少し少なくして、日本人同士の切磋琢磨を見てみたい。外国人を排斥するのではなく、日本人若者の角界入りに何とか手が打てないモノだろうか。徳勝龍の優勝は、その一つになると嬉しい。 |