2020,01,18, Saturday
四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転禁止を求めて、50㎞圏内に住む山口県東部の三つの島の住民3人が申し立てた仮処分の即時抗告審で、広島高裁(森一岳裁判長)は17日、運転を認めない決定をした。「四電の地震や火山リスクに対する評価や調査は不自由分だ」とし、安全性に問題が無いとした原子力規制委員会の判断は誤りがあると指摘した。
その運転禁止の期間は、山口地裁岩国支部で係争中の差し止め訴訟の判決言い渡しまでとした。現在3号機は定期点検で運転休止中、点検が終わっても再稼働は出来ない。伊方原発3号機の運転を禁じる司法判断は、2017年の広島高裁仮処分決定以来2回目。この時の決定は、阿蘇カルデラで破局的噴火が起きた場合のリスクを指摘し、運転差し止めを命じたが、18年9月に同裁判所の別の裁判長の決定で異議審が取り消された。 私は原子力発電事業に関して全くの門外漢でありますが、ここから垣間見える新判断は、活断層から原子炉までの距離が極めて近く、地震の可能性に言及して駄目出しされたのか。確かに原発は絶対安全とは言いがたく、時間を掛けて終焉を迎えるべきだと私も思います。多くの国民が、同じように考えていると思います。裁判長は専門家の判断を、「甘い」として判決を書いたのは、勇気が要ったと思います。 しかしここへ来て、伊方原発3号機(1号2号は運転終了)の稼働が出来ないとなると、現実問題として、四国電力は海外からの石炭を細かく砕いた粉末による火力発電に頼るしかなくなるのです。NHKのチコちゃんのみならず、環境活動家グレタ・トゥンベリ氏(16)からもNOが出るだろう。 オーストラリア、アマゾン流域の大規模火災も、地球気候変動のなせる技。つまり地球が温暖化し、砂漠化している。大国のアメリカと中国が、環境問題の悪化に死んだフリをしているからと言っても、日本がそれに右へならいしてはダメだろう。今回の判決の理論構成では、九州電力の玄海原子力発電所(佐賀県)3号4号(1号2号は運転終了)と川内原子力発電所(鹿児島県)1号2号も、阿蘇山の噴火の危険性は同じだ。つまり訴訟が提起されれば、止まる可能性もあるということだろう。 災害時の電力停止で困ったことは、昨年の台風時でも記憶に新しい。もはや、電気のない生活は考えられない。電気と水道(井戸水も含む)さえあれば、不自由は感じるだろうが1週間程度は暮らしていけるだろう。水は代替があっても、電気は代替がほとんどない。関係者は自分たちの生活が守れたと胸をなで降ろすのだが、私は何か違うような気がしてならない。 |