企業の借入金利の動向を分析した帝国データーバンク高松支店の調査によると、県内企業の2018年度の平均借入金利は、前年度比0.09ポイント低下の1.13%であった。全国的に「名古屋金利」と言う言葉があるほど低利で知られる愛知の1.14%を抑え、都道府県別でも最も低かった。同支店は、「県内外の金融機関が激しい競争を繰り広げていることがうかがえる」としている。
県内の平均借入金利を主要6業種別に見ると、建設業が最も高く1.33%(前年度比0.06ポイント低下)。2位がサービス業で1.16%(前年度比0.17ポイント低下)、6位の製造業は唯一1%を下回る0.94%(前年度比0.04ポイント低下)であった。県内の平均借入金利の低下は、11年連続。08年度と比べると、0.93ポイント低下した。われわれ借りる側には、有り難い傾向であります。
18年の全国平均は、1.37%(前年度比0.08ポイント低下)。四国内で比較してみたら、愛媛が1.26%で全国5位タイ、高知が1.39%で23位。最下位は沖縄の1.84%で、1位の香川との差は0.71ポイントもあった。調査は、19年10月末時点の企業財務データーベースを基に、06~18年度の決算について集計した。
ところでNIKKEI、朝日新聞、毎日新聞が共同で出している「ビジネス香川」の昨年9月号に、高松信用金庫理事長大橋和夫さんが紹介されている。高松信用金庫(高信)は、1949年の創立以来、日本銀行や財務省の出身者がトップを務めてきた。創立70周年、令和元年という節目の年に初めて誕生した生え抜き理事長が大橋和夫さん(61)。
高松商業高校を1977(昭和52)年に卒業後、高信に入庫し理事長にまで登り詰めた。大橋さんの口癖は、「俺も出世するから、お前も出世しろ」。常々、部下に繰り返してきた。「出世」にこだわったのは、お客様のために偉くなるという大義名分。目標を定めて、資格や知識を得るため、「法律や財務など、なりふり構わず勉強した」。その先には、お客様がいる。
高信は、香川県下だけが営業エリアだが、ご多分に漏れず低金利で苦戦している。都市銀行などの「銀行」の信用力や資金力に付く客と、「信用金庫」のように人に付く地方限定の金融機関がある。確かに貸出金利は少し高く感じるが、親身になって融資の相談に乗ってくれるイメージはある。「学歴もスキルもない、雑草のような自分」と大橋さんは自らを表現する。残高113円の預金口座に、就任祝いを入れました。応援しています。