2019,11,27, Wednesday
大阪市内で行方不明になった小学六年生の女児(12)が、栃木県小山市内で保護された事件で、女児は会員制交流サイト(SNS=ソーシャル・ネットワーキング・サービス(social networking service)を通じて、自称派遣社員の男と知り合ったとされる。男は未成年者誘拐容疑で逮捕され、大阪へ護送され警察の取り調べを受けている。
スマートフォンを使って、親の目の届かないところで見知らぬ人との接点を広げて行く幼子たち。犯罪から彼女らを守るには、一体大人はどうすれば良いのだろうか。私は子どもが成人しているから、「教育」という観点からの心配はないとしても、孫にスマートフォンをねだられたら毅然とした態度で臨めるだろうか。 警察庁の統計によると、2018年にSNSを通じて犯罪被害にあった18歳未満の子どもたちは1,811人。前年より2人減ったモノの、高止まりが続いている。うち991人が高校生で、中学生が624人、小学生は55人で、08年の13人と比べて4倍超となっている。統計に事件のすべてが反映されたかどうか、水面下ではもっと多いのかもしれない。 罪種別の被害では、児童買春・ポルノ禁止法違反が944人、淫行などの青少年保護育成条例違反が749人。殺人や強盗などを含む「重要犯罪」の中では、今回のような「略取誘拐」が最多の42件。略取誘拐は09~14年は1~3件で推移していたが、15年に9件に跳ね上がり、16年と17年は20、21件に増えている。 当事者間のアクセス手段はスマホが9割を占め、パソコンやゲーム機などを圧倒している。被害者が多かったSNSは、ツイッター719人、学生限定をうたう会話アプリ「ひま部」が214人、LINE(ライン)が80人の順だった。小中校生にスマートフォン(スマホ)は要らないと思うのですが、危険防止から携帯させるという意見の親もいると言う。 母親も「女子会中」は子どもに自分の携帯を操作させて、黙らすと言うぐらい子どもは携帯電話に興味を持つ。「百笑ももえ」も仏生山へ来ると、かならず固定電話に執着する。受話器を持つと「プー音」が聞こえてくる。不思議という好奇心が、1歳で早くも芽生えている。今回の被害女児は小学生だったが、小学生でもねだられたら親は買い与えるのだろう。 後期高齢者が「オレオレ詐欺」に引っかかるのも、電話だ。固定や携帯を問わず、電話番号は広く知られていると思わなければならないだろう。SNSがきっかけで子どもが巻き込まれる犯罪について専門家は、「子どもは相談に乗ってくれたり、温かい言葉を掛けたりしてくれる人を信用し、ついて行ってしまうことが多い」と指摘する。 確かにSNSのやり取りで、自殺を思いとどまったというケースも聞く。交通戦争と言われ年間死者1万人から、今は半数以下になった交通事故死。それに対して自殺者は、3万人と言われている。この抑止にSNSが活躍しているというのは頼もしいが、スマートフォン(スマホ)は、どちらかというと悪い効果が散見される。 私の場合はパソコンメールだ。一日500から1,000通のメールが入ってくる。その中の5%程度しか有用なメールはないが、メールアドレスを変えても暫くすると同じように勝手にやってくる。「投資」「儲け話」「健康」「ゴルフ」「アダルト」「援助交際」と人の欲に絡んだメールが来る。私だけに来ているのかも知れないが、迷惑千万この上ない。 先の専門家は、「まずは身近な通学路に潜む危険を教え、現実社会での犯罪に対する子どもの感度を養う。そうすれば、ネット空間でも匿名性の高いサイトなどのリスクを見分ける判断力を身につけさせることが出来る」と言うが、それで解決するのだろうか。人類は産業革命後、「利便性の追求」に明け暮れている。大事なモノを犠牲にしているのではなかろうか。 |