「民法(債権法)改正に伴う売買契約に関する留意事項」-新書式案のポイント-が、深沢綜合法律事務所弁護士大川隆之氏の解説で、27日オークラホテル丸亀、28日はホテルパールガーデン(高松市福岡町)で行われています。私は主催者・公益社団法人香川県宅地建物取引業協会の業務運営委員長として、両日大川隆之氏のお世話係で行動を共にしています。
改正民法は、ごく一部の例外を除いて、2020年4月1日から施行されることが決定し、改正民法の解説が昨年ぐらいから色々なところで行われていました。公益社団法人香川県宅地建物取引業協会では、全宅連から改正民法を網羅した新書式案が出た段階で、研修すると早くから決めていました。
私は法律家でもなく、債権法と言われてもよく分かりませんが、約120年ぶりに改正される民法ですが、まずすべてが改正されるのではなくて、第三編債権だけ(他に及ぶのもあるにはあるが)が改正されます。私たちの生活に深く関係する、第四編親族や第五編相続に改正はありません。とは言いながら第五編相続は、もうすでに改正がなされています。
もう一つ、不動産取引などの契約条項をややこしくしているカラクリがあります。それは、民法の中でも第399条~第696条のまさに「債権」のところは「任意規定」と呼ばれるモノで、公序良俗に反しない限り、売主買主の合意で変更できるとされています。だからこれまでも、宅建士の勉強をしている時など、「おかしい」と思いながら、理屈は知らなくても過去問の傾向に従った勉強をしていました。
このあたりの理解が出来ているかどうか、まず確認が必要です。「今更聞けない民法の債権法」とでも表現したら良いのでしょうか。明日の高松会場の冒頭で、これに触れるように大川隆之弁護士にお願いしてみます。弁護士はごくごく当たり前のことで、この点にはまず触れません。今日の丸亀会場の反応を見ていると、杞憂でもないように感じました。
要するに今回の改正は、過去の民法条文に判例で手が加えられたり、世間の常識で合意内容が変更されていたところ、例えば「危険負担」と呼ばれている箇所など、民法では「建物引き渡し前に火事で焼失しても、買主は残代金を支払う」との民法の規定を、(住む)目的が達成されない場合は、契約解除が出来ると変更されていました。これを追認する内容に、民法改正がなされています。
つまり素人の考えでは、確かに120年ぶりの大改正があったにしても、世間でわれわれが使う「売買契約書」の内容は、そう変わるモノではないという結論です。だからこう変わったああ変わったと驚天動地すること無く、売買契約案が出来てから、それを学習したら良いと考えて、今日明日の研修になりました。
宅建士は勉強し、消費者に不利益にならない情報をお伝えする責務があります。また協会は、会員さんが間違ったことを言わないように正しい情報を提供します。深沢綜合法律事務所大川隆之弁護士の解説は、実に分かりやすい説明でした。今度は「賃貸編」で、またお越し頂くようになるでしょう。