2019,08,21, Wednesday
世界全体の金融機関を除く事業会社や家計、政府部門の債務残高が2018年に180兆ドル(約1京9千兆円)に達し、リーマン・ショック前の07年からの1.6倍に拡大していることが19日、国際決済銀行(BIS)の調べで明らかになった。中国をはじめ、新興国の債務がとりわけ増大傾向にある。
金融緩和の長期化で、大量の資金が市場に供給され、最終的な借り手の事業会計や家計、政府部門の債務が拡大した。景気後退局面では資金調達が難しくなり、債務の返済に行き詰まるケースが増えて、個人消費や投資が急激に冷え込むなど、新たな危機の引き金になりかねないとの懸念が強まっている。 BISによると、新興国の債務は18年10~12月時点で54兆ドルだった。これは07年の3倍程度となり、先進国の1.3倍と比べて伸びが大きく、持続可能な債務水準とは言いがたい。特に中国での増大が目立ち、6倍の33兆円に達している。このまま劇的に改善するという現象は、見られない。 先進国の一つの日本の債務は、18兆ドルと1.3倍となった。激化する米中貿易摩擦などの影響で、世界経済は減速傾向にある。投資家が新興市場や株式市場から資金を引き揚げに動けば、株価などの暴落を招き、投資家の損失が一気に広がって景気悪化を加速しかねない。 問題は菅義偉官房長官がかねてより発言している、10月消費税10%へ引き上げの判断だ。彼は「リーマン級の問題が発生しない限り・・・」と念押しをしている。現在の8%から10%へ消費税を上げたら、間違いなく景気後退局面が広がる。しかし上げなければ、国内はもとより、世界各国から非難が高まることも容易に想像できる。 私は、この10月の消費税の値上げは凍結すべきだと思う。世界水準で、日本の消費税8%は安いと言われていることも承知している。消費税を上げるのは、法人事業税を下げるためと言われていることも知っている。3度目の正直、安倍晋三内閣はどうするのだろうか。米中・英国のEU離脱、ドイツの経済失速、そして19日のBISの発表。どうする安倍さん。 |