2019,06,25, Tuesday
25日(火)22時から、テレビ東京の「ガイアの夜明け」を見た。通常火曜日は、ライオンズクラブの日で、まだ帰宅していない。その番組は、働き方改革に真っ向から矛盾するといわれている「飲食業」で、1日6時間労働残業なしの営業で年収600万円に取り組む夫婦の挑戦を取り上げていた。店名は「佰食屋」、当初1日に百食限定販売の運営システムを開発する。
そのため提供メニューを限定し、それを単純に百食だけ売る。売れたら店じまい。9時に入店したら、15時には片付けをして帰れるというシンプルなビジネスモデルを考えて、実践した。旦那様がコックで、玄人はだしの味を出すが、本職は「設計士」。店の機能性、デザイン性を追求するのも旦那様の担当。みずから夫婦も子育て中。 飲食の素人が、常識の枠をイノベートして、限定することで勝利の方程式を構築した。自らが子育ての真っ最中、飲食業界は労働時間が長く、その後の片付けにも時間がかかる。これが当たり前と考えて、使う方も使われる方も、あきらめ顔で漫然と行う。ところが若者は、この賄い付きのアルバイトにNoを言い出し、働くモノがいなくなって、オーナーは慌てて、今や打つ手なしとあきらめ顔。 そんな飲食の業界に、門外漢夫婦が一石を投じた。要するに年収600万円が稼げたらそれでいいのではないかとまず結論から逆算し始めた。食材は肉に限定し、大きな塊で購入し残すところなく使い切る作戦。「国内産肉丼」を1,000円で販売し、100食限定販売に特化する。並んだ人を整理し、早めに「売り切れ」看板を出す。多くを求めない、100食限定でその日の営業を終える。 この場所では昼食に限定し、13時前後で100食を売り切る。100食×1,000円で1日10万円。週休2日だと営業日は261日。年間2610万円、食材費48%だと残り1357万円。家賃・人件費等を支払、残りが経営者の年収となる。これだと言われている年収600万円/人に届く。これが佰食屋のビジネスモデルだった。ここには働く人が数人いた。 この主婦が請われて全国講演などをするうちに、自らの子どもが障害児で、時間が限りなく限定的。これまでの「佰食屋」を進化させて、夫婦2人ですべてをまかない、600万円の年収を稼ぐスタイルを次に考えたのだ。それが佰食屋1/2という店舗経営。売る商品も1/2、コストも1/2を原則とした。こうすることで、自分たちでも出来ると思う子育て層に希望を与える。 これでは1人換算600万円で、2人で1200万円とはならない。あくまでも1世帯夫婦で年収600万円で、子育ての時間は十分得られる。若い夫婦のスタートビジネスとして、これをフランチャイズとして全国展開する。それが佰食屋1/2であります。メニューを限定し、数量を限定し、食材ロスをなくして、ここに新しい働き方改革を提供しています。 もっともっと儲けたいと思えばさらなる工夫が求められるが、シンプルを追求し続けなければ、この戦略のコンセプトが狂う。これまでの常識を捨て去る、シンプルが、進化の源ではないかと思いました。稲盛和夫塾長が言うように、どこの山へ登るのかまずへそれを決める。若い夫婦2人で、労働時間6時間残業無しで子育ての時間を大事にするなら、この「佰食屋1/2」は画期的なオペレーションだと感心しました。 |