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トヨタ自動車売上30兆円の城は盤石か
日経新聞論説委員・西條都夫氏の書いた記事を読んで、なるほどと唸っている。トヨタ自動車の2019年3月期の連結売上高が30兆2256億円に達し、日本企業として初めての30兆円超えの壁を突破した。「規模の経済」がモノを言う製造業において、売上高は会社の実力を示す重要な指標であります。

30兆円の売上がどれほどの数字か、2位のホンダで売上高は16兆円弱、税引前利益率も8.16%と、稲盛和夫塾長の言う10%に近い数字をたたき出している。因みに連結営業利益の2兆4675億円も、ソフトバンクグループなどを抑えて日本一であります。これだけを見ていると、トヨタ自動車は順風満帆のように思える。しかしこれから先、100年に一度の自動車業界の変革期をどう泳ぎ切るか。

自動車と並び「製造業の雄」とされた電機では、日立製作所の19年3月期の売上が9.5兆円、パナソニックが同8兆円にとどまり、トヨタ自動車の3分の1に満たない。平成が始まった30年前、トヨタ自動車と日立、パナソニック(当時は松下電器産業)の3社の売上高は6兆~8兆円で、団子3兄弟だった。

ところが、その後の30年で差が開いた。円高や国内市場の成熟といった条件は同じだが、北米を中心にグローバル化に成功したトヨタ自動車と、デジタル化に対応出来ずに失速した電機で明暗を分けた。有力な油田を一つ掘り当てれば、数百億円単位の収益が転がり込む資源会社と違い、自動車会社は、数万点の部品を組み合わせて一台一台作り込む地道な仕事だ。その賽の河原の石積みみたいな仕事で30兆円は、あっぱれと言うしかない。日本の誇りであります。

奇しくも今年は、トヨタ自動車創業家出身の豊田章男氏が社長になって10年目の節目であります。創業社長のような豊田章男氏は、当然あってしかるべき「目標数字」を、敢えて設定せずに、ある意味自由にこの10年間の舵取りをして来た。「米国での100万台販売」をヴィンターコーン元社長から厳命された独フォルクスワーゲン(VW)技術陣は、排ガス不正に走った。

世界販売600万台の旗を掲げたホンダは、背伸びしすぎて失速。極めつけは、台数や利益率の「コミットメント(必達目標)」を経営の切り札として多用したゴーン日産の転落だ。このように数字の罠に足を取られたライバルが苦しんでいる間に、創業家出身の豊田章男氏は稲盛和夫塾長が言うような、「売上最大、経費最小」をひたすらこの10年間やり続けた結果だと思います。

電動化など「CASE」と呼ばれる新技術の領域でも、水と油の関係とされたソフトバンクグループとの提携や、中国の新興メーカーへの小型車の設計ライセンス供与など、オープン・イノベーション戦略を進める。創業社長の独特の思い切った決断が、その時その時になされていって10年が経過した訳である。

反面がむしゃらさがなくなったと、論説委員・西條都夫は指摘している。競合のVWや日産がつまずく中で、これまでのトヨタ自動車であれば、敵失の隙を突いて一気呵成に市場シェアの拡大に走り、達成して大きく水をあけたのではないだろうか。お行儀が良い、坊ちゃん経営のようにもこの部分は見える。

最後に面白いジンクスが、紹介されていたので引用します。売上が10兆円を超えた直後に国内のバブル景気が崩壊し、20兆円に届くときの2008(平成20)年にリーマ・ショックの直撃をうけた。30兆円に到達した今回も、米中対立の激化など世界情勢は波乱含み。GAFAに代表される世界のデジタル企業も、自動車ビジネスの創造的破壊を目論む。もしかしたら、大きな山が動くかも知れないと私も思う。


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| 社長日記 | 09:43 AM | comments (0) | trackback (0) |
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