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米中のジレンマMay2019
米中の関係が、危険水域まで近づいているように思う。日本も対岸の火事のように、のんきに構えていては大やけどを負いそうだ。かといって、日本側に打つ手がある訳でもない。日米会談で、安倍晋三首相がトランプ大統領にもの申す立場でもないし、言う台詞も思いつかない。それだけに、どちらが悪いと断言できる関係でもない。だからジレンマなのだ。

トランプ大統領は10日、中国からの輸入品2000億ドル(約22兆円)分に課す制裁関税を、10%から25%に引き上げるという衝撃的な決定を発表した。グローバル主義は、米国を犠牲にして中国の台頭を招き、米国の覇権国としての地位と繁栄を損ねてきたという不満がある。米国はトランプ大統領の言う、「アメリカ・ファースト(アメリカが一番)」でなければならない。

一方中国の習近平国家主席からすると、問題は現在の世界秩序が、米国に政治的・戦略的に支配されていることだ。われわれ日本人としては、ごく当然のことであるが習氏としては、米国に代わって中国がアジア太平洋域の盟主になることを望んでいて、その意志を明確にし始めただけのことである。習氏を支持する中国の国家主義たちはさらに先鋭で、中国こそが世界秩序の支配者になるのだという野望を隠さない。

つまり米中の首脳が抱く世界秩序への不満は、まさに鏡に映った像のように反転している。習氏としては世界の戦略的秩序を変えたいのだが、そのためには今の経済秩序を維持する必要がある。トランプ大統領はその逆で、今の戦略的秩序は維持したいが、そのために経済秩序を変える必要があると考えている。

要するにトランプ大統領も習近平国家主席も、どちらも修正論者であると同時に、現状を維持したいと考えている。中国は地政学面で修正論者である故に、貿易面では現状維持を望む。米国は地政学面では現状維持を望むが、貿易面では修正論を唱える。当たり前のことで、両国の貿易比は、あまりにも偏りすぎている。

両国の行動からは、今のシステムが米国より中国に有利に働いているという点では両国の認識が一致している。米国の政治関係者の間では、この認識は完全に共有されている。トランプ大統領の共和党の政敵、民主党の重鎮でさえ、対中貿易に関する限りトランプ政権の強硬姿勢を支持するとのべている。

日経新聞によると中国の人々は、1985年のプラザ合意の教訓を強く意識しているという。アメリカ・ニューヨークのプラザホテルで行われた「プラザ合意」では、米国から強い圧力をかけられた日本が円高誘導に合意した。当時の米国大統領は、第40代レーガン大統領(トランプ大統領と同じ共和党)。多くの中国人は今にして思えば、米国はプラザ合意によって、日本の台頭を押さえ込むことに成功したと考えている。

余談だがその前の、1971(昭和46)年の第37代ニクソン大統領(共和党)の8月、「ニクソンショック」と呼ばれている金とドルと交換停止宣言から、12月のスミソニアン合意で、一ドル360円から円高の308円となった。次のプラザ合意の頃には、一ドル260円まで円高になっている。そして今は、一ドル100円余。やがて一ドル50円の時代が到来すると予想するが、中国の話に戻そう。

トランプ政権も、似たジレンマに直面している。米国は最大限の圧力をかけ続けることで、現行システムの欠如を正す、いわゆる「すばらしい取引」をとにかく成立させることを目指すべきか、それともそのような部分的な勝利を収めることは、結局中国の台頭を押さえ込むことに失敗し、敗北に等しくなるのではないかというジレンマである。

いずれにしても米中の争いは、一端治まったように見える決着を見せたとしても、その火種は続く。トランプ大統領は、中国共産党の一党独裁を本気で潰す気だ。正直な感想、ここはトランプ大統領に頑張ってもらわなければ、独裁体制が世界を制覇しては、自由も民主主義もあったモノではない。変な大統領だとは思うが、この課題に関しては頑張ってほしい。がんばれドナルド・ジョン・トランプ。


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| 社長日記 | 10:19 AM | comments (0) | trackback (0) |
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