坂出市など三つの「塩のまち」による友好交流協定の調印式が12日、坂出市番の州緑町の瀬戸大橋記念館で行われたとして、四国新聞に大きく取り上げられている。仕掛け人は、坂出商工会議所の石井淑雄会頭らしい。石井淑雄会頭は、別組織ではあるが公益財団法人オイスカ四国支部の支部長として、また本部の理事として敏腕を振るった知恵者。
5月13日(月)の朝刊を読みながら、先月24日の総会で公益財団法人オイスカ四国支部の支部長を泉雅文氏(JR四国会長)に禅譲し、オイスカを離れて少しゆったりかと思いきや、どっこい彼の歩みは止まらない。坂出商工会議所(石井淑雄会頭)と徳島県鳴門市の鳴門商工会議所(中岸敏昭会頭)、愛媛県今治市のしまなみ商工会(村上友則会長)の3団体が、「さかいで塩まつり」の会場に集結した。
坂出はさぬきうどんの聖地、勿論製塩がうどん発祥に貢献している。徳島は、大塚製薬があり、塩の需要も大きい。今治の塩は、「伯方の塩」とCMで訴えるほど塩の産地であります。話が少しそれますが、「丸亀製麺」の最近のCMで、「店で原料からうどんを作っているのは、全国チェーン店では丸亀製麺だけ」というのが、私にはしみます。
CMで訴えるほど、飲食の全国チェーン店はそのほとんどが「セントラルキッチン」と呼ばれる工場一括生産をしている。ラーメンでありますが、ブラジルへ食材を空輸して日本の倍の料金で販売して売れていたのをこの目で見たことがあります。国内では、「セントラルキッチン」方式がこれまでの常識でした。
3つの組織は、製塩など共通する歴史を縁に、地域振興のための連携を誓い合った。まずは四国内で交流の土台作りを進め、対岸の姫路(赤穂)などにも拡大するのだろう。製塩業の歴史を持つ瀬戸内海沿岸の経済団体が、地域活性化の協定を結ぶのは初めてのこと。このような、言えば小さなネタを、大きく人の手を借りて拡大することは、普通は考えない。発想と、その実践が小を大にする。
また坂出市、鳴門市、今治市はいずれも架橋ルートのまちでもあり、協定締結後は地域の観光・物産などに関する情報を互いに発信、交換。イベントや展示会、観光ツアーなどでも協力し合う。鳴門市にしても今治市にしても、坂出から本場「さぬきうどん」が来れば、単なる「うどん」より、市民は盛り上がることだろう。
締結の会場選びも、石井淑雄会頭らしい。春の穏やかな瀬戸内海と瀬戸大橋を背景に、どうしたらあのような笑顔が出来るのかと思うくらいの破顔で記念撮影に臨んでいる。人をその気にさせる人垂らしは、稲盛和夫塾長も上手だが、坂出商工会議所の石井淑雄会頭も名人技であります。