春季四国地区高校野球大会(5月3~5日・愛媛)の、香川県代表出場順位を決める高松商VS四学香川西のチャレンジマッチが、13日午前10時から、高松市生島町レグザムスタジアムでおこなわれ、高松商が10-6で辛くも勝利し、夏の甲子園大会へ弾みを付けた。結果から見ると楽勝のように見えるが、9回に6点を奪取してかろうじての勝利だった。課題は多い。
今年の選抜大会で16強入りした高松商は、ナンバー3の松下航大投手を先発に起用し、夏の大会への戦力アップを図ったが、3回に捕まり4点を献上して降板する結果となった。3回を終了して、高松商2-4香川西と雲行きが怪しくなった。3回途中から、二番手の右腕中塚公晴投手が救援したが、5回と7回に各1点を獲られ、8回終わって高松商4-6香川西と劣勢。
随所につきがない試合運びで、9回表高松商の攻撃。2四球などで得た2死満塁から途中出場の石丸が左前2点適時打でまず同点。さらに四球で満塁とし、強打の9番新居の走者一掃右中間二塁打と1番飛倉爽汰の右前適時打の連打で一挙に4点を奪取して、最終回はU18ワールドカップ高校日本代表1次候補に選出された左腕香川卓摩投手が登板して、粘る香川西を貫禄で最後の打者を打ち取った。
流石に香川卓摩投手が出てくると、チームも落ち着く。長尾健司監督も、投手野手をとわず、敢えて控え選手にチャンスを与えていた。夏に向けて、どうしても選手の力の底上げが求められる。
一 二 三 四 五 六 七 八 九 合計 H E
高松商 0 1 1 0 2 0 0 0 6 10 16 3
香川西 0 0 4 0 1 0 1 0 0 6 11 2
この試合結果から、四国地区高校野球は高松商が県1位、香川西が県2位で、5月3日(金)4日(土)の両日愛媛の球場で試合をする。この試合の頂点に立ったとしても、夏の甲子園大会出場にはつながらないが、大きな自信となることは間違いない。また夏の甲子園大会の香川県大会組み合わせで、高松商がシード1位、香川西がシード2位となることが決定している。
その他シード校は恐らく尽誠が3位、藤井が4位だろうか。あくまでも素人予想だが、夏の大会へ向けて、高松商は大きな一勝をあげたことは間違いない。だが、何度も言うが高松商にも課題は山積している。まずは四投手の、レベルアップ。今日のような状態では、夏は乗り越えられない。香川卓摩投手が腰に爆弾を持っている状態では、連投は出来ない。
どうしても右腕中塚公晴投手(3年)や美濃克尚投手(2年)、そして今日先発した松下航大投手(3年)の成長が待たれる。長尾健司監督も、五回まで松下航大投手が5点までで切り抜けたら、使える目処が立ったと喜んだかも知れない。試合後の談話では、「期待をしていたが、松下航大投手も右腕中塚公晴投手ダメだった」と語った。
それともう一つ、今日は失策が3つもあった。名指しはしないが、梵フライの落球など、およそ高松商らしくないエラーがあった。送りバント失敗で、ダブルプレーもあり、逆に香川西に犠打3、犠飛1を決められそんなこともあって、大変苦しい試合になってしまった。
エラーにはならないが、走塁で一塁踏み忘れや、ピッチャーの悪投、キャッチャーの後逸など、信じられない光景が各所で続いた。それでもう、ダメかと思った九回2死からの6点は、高松商の試合巧者の片鱗を見る思いであった。これまでが劣勢だっただけに、溜飲が下がる思いで熱くなった。課題が多く残ったモノの、久米龍之助先輩、吉田博先輩らもご機嫌さんでした。
おお方の予想に反して、高松商の打線は16安打とよく打った。長打気味のあたりは、後ろに守っていた香川西の外野手に好捕されたが、二塁打1、単打で良く繋いだ。それから四球も、8奪と多かった。相手青山の球速が120キロ台であったこともあり、きわどい球をうまく見極めていた。キャッチャーの新居は、今日も2安打4得点、一塁走者を封殺するなど、好守にまずまず。校歌斉唱は、涙がでんばかり。選手の大声も聞こえていました。