2019,01,07, Monday
昨日の小欄でも、豊洲市場(東京・江東)のマグロ初競りで5日、青森県大間産の278㎏に3億3360万円の市場最高値が付いたと書いた。本日の報道では、初競りで盛り上がったのは3億円のマグロのみという悲しい現実。初市の鮮魚入荷量は前年比35%減、生マグロは6割の減少となるなど、新市場としては寂しい船出であったそうな。
昼前、「築地すし好(すしこう)」の成田仁孝氏から電話を頂戴しました。裏事情も拝聴しましたが、豊洲市場が箱物としては順調に機能していて、快適だと褒めていたことだけを紹介しておきます。私も滅多に行かないのですが、銀座や新橋築地のすし好へは行った。やはり盛和塾、とりわけ頸友(変性症頸椎症)の成田仁孝(なりたよしたか)氏が仕切る店へ、機会を作っていきたい。 ご祝儀で高値が付いたのは一握りで、大間以外は売れ残るマグロもあったという。テレビでも報道されていたが、史上最高の高値に大間の漁師も手放しで喜んでいるわけではない。漁獲規制が強化され、出漁が制限される。従って初競り用のマグロを、一攫千金ここぞとばかり狙うことになる。システムとは言わないが、この現状をもう少し平準化できないモノだろうか。 地元の一大イベント「大間マグロ感謝祭」が中止になったほか、解体ショーの魚を用意できず、冷凍物で代替したとも言われている。地元の漁師代表は、「初競りだけでなく漁師や町が安定的に潤うにならないものか」という。秋に移転した豊洲市場は、世界最大級の魚河岸。働く人は築地の頃と変わらず威勢よく、エネルギーにあふれている。 しかし初市の入荷量は、960トンと10年前の半分。魚の消費が減り、市場外流通との競争も激しさを増す。確かにこれまで商品とならなかった市場外流通魚も貴重ではあるが、やはり漁業経済の専門家が言うように、「生産者と消費者を結ぶ卸市場の賑わいが最も重要」との意見も理解できる。 よく言われているように、あれかこれかではなくて、あれもこれも工夫をして少ない魚を美味しく、値頃感ある価格で食べられるとようになると、外国人は言うに及ばず日本人も、もっと魚を食べると思う。至近な例であるが、最近はお米が美味しい。市井の食堂の米も、「日本米」と表示され、私がライオンズクラブ会合で行く洋食レストランなんかも、「ライス」を迷わず選択する。ここも美味しいのです。 作り手(獲り手)と食べ手が、啐啄同時(そったくどうじ)、無駄なく食べ尽くすことが、食の一番の進化になると思う。食べ手の私は、残さず食べることですね。そして8,000歩超、今日も歩きます。 |