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2003/12/17

香川県宅地建物取引業協会高南支部研修会

 昼から、表題の研修会が香川サンメッセ会議室で開催されました。連絡事項の後、本日の『「短期賃借権保護制度廃止」「競売関連法改正」の不動産取引への影響』の始まりです。
 講師は「お前やれ」といわれて、過日株式会社にじゅういち出版主催で開催された、弁護士江口正夫氏のセミナーで聞いたことを話しました。初めての演題は準備に時間がかかって、十分な話ができませんが、逆に考えれば、実務家からみた重要箇所が発見できます。 内容については、弁護士さんに聞いてくださいと言わざるを得ませんが、要するに国は競売物件(例えばアパートを建てるのに、銀行から借金をしていて、毎月の返済ができなくなる。すると銀行は担保に取っていたこの土地アパートを裁判所で売ってもらって、その代金で貸金への充当を計る)の流動化を狙っています。
 この不景気に、「不良債権(銀行からの貸金を返せなくなった状態)」がまだまだ出ると考えています。それが「競売(けいばい)」という裁判所内での不動産の売却へ進むわけです。 この競売という制度には、功罪がいくつかあります。プラス面は一番に価格が安いことでしょう。任意売買で取引され価格を市場価格と言いますが、競売の最低競落価格は、市場価格の5〜6割と言われています。マイナスの面は、最高値で競落しても、誰も住んでないはずの家に占有者がいる、つまり占拠している状況があり、それがある程度合法的手段で行われていました。このような法制度の整備と、おまけに「内覧」と言って、任意売買では当たり前ですが、「事前に物件内部を見学する」制度が、競売制度の中に盛り込まれることになります。施行は来年16年の4月からと考えられていますが、正式発表はまだです。業界にとっては、「市街化調整区域の全廃」といい、この「競売関連法改正」といい、春には東風(こち)が吹きそうです。