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2003/10/23

四国四県の相続税申告漏れ27億円

 高松国税局が発表した、02年7月からの1年間の四国四県の相続税調査によると、申告漏れは488件で、対前年度比52.5%も増えた。申告漏れ税額は、27億200万円で、対前年度比55.8%の高額。この件数、税額とも3年ぶりに増加したが、「局内の新システム導入に伴う研修中は調査が出来なかった」ことが原因のようで、これからはしっかり調査しますと宣言?している。
 相続税は申告納税で、極端に言えば、同一相続案件を3人の税理士さんへ申告依頼をすると、3者3様の数字が出るくらい、申告内容によって、つまり評価によって変わるものです。しかしこのことは余り知られていないことです。これは統計によればですが、相続税のかかる人つまり相続税の申告の要がある人は、死者のわずか5%の人です。従って、相続税のかからない95%人は、相続税の申告すら必要がないことになります。
 ではなぜ、3者3様の結果になるか。これは主に不動産の評価によるものです。現金預貯金、株、債権、みなし相続財産の受取保険金などは、だれが評価しても同じ金額になります。これに対して不動産の評価は、死亡した人(被相続人と言います)の住んでいた家とか、仕事場とか、アパート・マンション用地、また借地など、種類ごとに評価します。評価基準は、「時価」となっており、この時価の考え方で評価額に違いが起こるのです。初心者コースでは、国税局から「相続税評価額」基準が出されていますが、上級者コースとなれば、面大地と言われる1千坪をこえるような大きな土地は、不動産鑑定評価を入れるなどして、「時価」に違いがあります。
 しかし、考え方に差があって更正処分をされるのは仕方がないとしても、割引金融債は無記名ですからこれを隠し持って申告しないとか、預貯金を解約して貸金庫に入れて申告しないなど、悪質な申告漏れはやはり犯罪と言わざるを得ないですね。