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2003/10/22

常識が非常識か

 わが社の経営理念の中で、社訓は「常識の非常識」という一節があります。自分たちの領域から見たら常識でも、お客様の視点から見れば非常識なこともあるのではないか、心してかかれ、という意味です。
 しかし、今朝朝刊等で報道されている、名古屋市内で4歳の男児が変死したのは、母親と交際していた県立高校3年生男子生徒による「せっかん」が原因だとの逮捕理由は、団塊以降の世代に属する私の、常識を覆す現実です。
 私も10歳で父親と死別して、父親の影をほとんど覚えていません。しかし、母親は父親の分までも、私達兄弟(妹一人)に愛情を注いでくれました。従って私は、子供を抱えて一人で生き抜いている女性に尊敬の念を抱き続けていました。もちろん野暮を言って、再婚するなとか、恋人を作るなとか言うつもりはこれっぽっちもありません。それでもわが母は、再婚に反対されたと今でも言いますが、もう時効です。互いに笑っています。
 しかし男を家に入れて、先にいる子供たちに危害を加える「新人」に対して、女が母親であることを思い出さないのが残念です。私は倫理観を問うつもりはありませんが、母親の持つ女の部分と母性の部分の共生が、出来なかったものかと残念でなりません。二人の反省材料に、4歳の男児の犠牲は、あまりにも大きすぎる。