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2003/9/29

讃岐の発想力

 高松市の隣町に、三木町があります。高松市との合併問題もあるのですが、今日はその町にあるユニークな会社の考え方を紹介します。
 
 標識メーカーの「コート」が、発光ダイオード(LED)を活用した、「面発光標識」を開発した。これまでの標識は、夜間や夕暮れは道路標識が見えにくい。しかし、内部に蛍光灯等を入れると標識自体が重くなり、また電球切れのコストもかさむ。こんな顧客の意見を活かしての発想です。業界初の画期的な製品として特許も申請、売上も右肩上がりのヒット商品になっているそうだ。

 開発のヒントになったのは、営業担当者がつかんできた顧客からの一言だという。「LEDでパネルを発光させる技術がある。これを標識に生かせないか」。この言葉をきっかけに、99年から具体的な開発にとりかかり、広島県の企業などが産学官で共同開発したLEDを光源にして樹脂パネル全体を発光させる技術を応用し、標識に取り入れる研究に取りかかった。
 完成した商品は、コントラストがはっきりして判読性がよい。消費電力が蛍光灯の3割以下、LEDの交換以外ほとんどメンテナンスが要らないし、LEDはほとんど壊れない。薄型・軽量で反射標識と同じように取り付けが簡単、などの特徴を持つ画期的な商品として完成した。
 「開発・研究こそが会社の生きる道。これからも時代のニーズに合った製品を作りたい」とは川地巧常務の談。田舎の町工場も、内容によっては元気だ。