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2003/8/25

父親の命日

 父・松野茂がなくなって、41年の歳月が過ぎます。今日は命日です。つい2週間前に、母親と「今年の命日はえらい涼しいな。あの時はうだるような暑さだったのに」と会話を交わしたところです。ところが最近の数日は、夏がやっと来たと言わんばかりの猛暑です。あの日と同じような「夏」の一日です。
 父は37歳の若さで他界しました。肺ガンでした。私は叱られた記憶ばかりで、苦しんで死んでいった面影しかありません。父のこの世でし残した分までも、私はどん欲にトライしてみたいと考えています。一つの親孝行かも知れません。
 父と靖国神社とは関係はありませんが、過日訪問した際に頂戴した印刷物の中から、2つ転載させて頂きます。
 貞明皇后御歌 (昭和13年)
 待ちわひて 人や見るらむ たまの下 くゝりてきたる 父のたよりを

 祖國よさらば 陸軍大尉 枝 幹二
 六月五日 あんまり緑が美しい
 今日これから死に行くことすら忘れてしまひさうだ
 眞青な空
 ぽかんと浮ぶ白い雲六月のチランはもうセミの声がして夏を思はせる
 "小鳥の声がたのしさう俺もこんどは小鳥になるよ"
 日のあたる草の上にねころんで杉本がこんなことを云つている笑はせるな
 本日一四、五五分
 いよいよ知ランを離陸するなつかしの祖國よさらば
 使ひなれた万年筆を"かたみ"に送ります。