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2003/8/16

日本の外交

 毎年この日に、「靖国神社参拝」が紙面を飾ります。昨日のテレビで、戦没者慰霊式典のテレビ報道が15分程度のナマ番組しかなかったことに、戦後58年も経てば、少なくともテレビネタではなくなったというのが現実なのだろうかと驚きました。それもNHKだけで、民放は皆無でありました。
 本日の新聞でも、1面報道の新聞は、ホンの少し。これが現実の世界か、飽きっぽいマスコミだけの身勝手か。われわれもインターネットで見るなどして、自分の愛読紙を厳選することも、これからは必要なことのように思いました。
 ところで本日の産経新聞14面に、ドイツ在住の作家クライン孝子さんがお書きになった「正論」が掲載されていますが、大変興味深く読みました。
 その内容は、ニューヨーク・マンハッタンにある国連大使公邸を、購入費と工事費を合わせて36億円を投じて改装中。大使は、「外交とは大勢の人間をご招待申し上げ、談笑の場としてサロン的な雰囲気を盛り上げる」、その華やかさを正当化し、はばからない。これが日本を代表する国連大使かと思うとなさけない。
 ヨーロッパなど他の国では、公邸はサロンと言うよりむしろ、本国でみっちりスパイ教育を受けた工作員がひそかに本領を発揮する情報収集の場と心得ている。日本では、大使館など在外公館の職員の多くは、国益を前提とした熾烈な情報収集戦に身を挺するというよりは、公邸をサロンに優雅なパーティに興じてさえいれば、外交は務まると思いこんでいるのではなかろうか。いい例が、97年のペルー日本大使公邸人質事件。外交官にその能力がないというなら、ここは一つ日本政府たるもの、思い切って情報収集専門機関の立ち上げに本腰を入れるほかあるまい。
 情報収集が悪いこと、卑怯なことと考える経営者はいない。スパイ衛星の打ち上げ成功。大いに結構ではないか。世界中の気候を考慮して先物取引は成功する。昨日のアメリカカナダの大停電を見ればよく分かる。全てが麻痺して、略奪強盗まで発生している。日本国政治家は、これからのグローバル社会を見据えて、少しは情報戦で勝てるように頭と手を使え。賛成ではないが、扇国土交通大臣が新幹線の売り込みのために中国へ乗り込んだ。トイザラスの社長が、アメリカ大統領と来日したではないか。