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2003/8

日本のマスゲーム

 よくテレビで、北朝鮮の一糸乱れぬマスゲームを放映してますね。あれもほどぼどにしないと、日本国民は、北朝鮮の国民は毎日あんなことばかりやっているのかという印象を持つ。またあれほど統一された行動をする国民ばかりという先入観をも持つ。映像の絶対量が足りないことからの、ある絵の繰り返し報道にならざるをえない現状を踏まえても、繰り返し報道は、意図すら感じる。
 それはそうとして、日本にも北朝鮮に負けない(ここでは勝負へのこだわりは勿論ないが)マスゲームが存在している。それも70年間も続いているし、言われると日本国民等しく参加したゲームであります。
 そうです。もうお気づきですね。NHKラジオ体操です。今朝偶然にテレビを見ていたら、今日は全国大会で、金沢の陸上競技場に2万人の老若男女が集い、あるゾーンはユニホームをまとい、あるゾーンは子ども連れのベビーカー横付けの体操風景でした。
 特に記念にあたるのか、NHK会長から、ラジオ体操実行委員会岡野会長やなぜか民営化の旗印、郵政公社のトップまで参加していました。また極めつけは、片山虎之助総務大臣の存在でした。大臣はにこにこ微笑みながら体操に励んでいました。ところがその周りに二人のSPが警護しているではありませんか。もちろん本人らは真剣です。それでも周りに気を遣っているのか、ノーネクタイに背広でした。背広は脱げないのでしょう。
 ラジオ体操の思いでは、日本国人程度の差はあれ、等しく共有しているところです。夏休み、眠い目をこすり、お寺の境内の体操場所へ行った思い出は、今でも鮮明です。数年前に、バルト三国へ旅行した時、美術館広場で思わず体操のかけ声をかけて数人が自然発生的にラジオ体操を始めました。終わる頃には、20数名の日本人の輪になっていました。それも老若男女で。遠巻きの外国人(その国の人だったかも知れません)が盛んに拍手をくれたことを思い出します。
 本日のラジオ体操は、ラジオ体操第1・第2あわせて、その間わずか15分の時間ですが、日本のマスゲームを朝から堪能しました。

 「夏休み ラジオ体操が 冬時間」もう30分あとであれば。松野誠寛