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2003/7/4

浦島伝説で観光ブーム

 香川県の西の方に、詫間町があります。昔話「浦島太郎」(酒池肉林の喜び組に参加した最初の日本人か)ゆかりの地名が数多く残るのがここ詫間町です。
 人口約1.5万人の詫間町へ訪れた観光客は、平成14年に約57万人と言うから驚きだ。これは10年前の2.5倍拡大と言うから、この10年間減少の憂き目を被っているわれわれ経営者から見ても、快挙です。
 目玉は、浦島伝説を彷彿とさせる風光明媚な自然と、町のPR役も兼ねた「三代目・浦島太郎」さんの存在です。
 全国的に大型テーマパークが次々と閉鎖に追い込まれる中、失礼ながらさほど投下資本をせずに観光客を呼び込もうとする同町の観客誘致戦略は、「田舎のやり方」として十分注目される結果です。
 詫間町について少し。詫間町は香川県の西北の端に位置し、瀬戸内海に突き出た荘内半島の元にあります。われわれの青春時代は、「憧れの詫間電波工専」で名を馳せていました。穏やかな海の彼方に連なる美しい島々を望みながら、海の幸を頂くというシナリオです。
 昭和60年から「花と浦島伝説の里」として、竜宮城や玉手箱をイメージした公衆トイレを作ったり、郵便局は「荘内浦島郵便局」と改名したり、町を挙げての努力が、昨今のお遍路ブームや、高松自動車道の全線開通で、京阪神からマイカー族が増えたのも大きな要因でしょう。先の県下観光客調査でも、訪問客は増えていて、宿泊客は減っている。観光客は、「割安感」をバロメーターにしていると思います。うどんもそうです。あれが2千円も3千円もしたら誰も来なかったでしょう。平均単価は300円です。特に彼らは一カ所で1玉しか食べません。3カ所行っても1千円です。瀬戸大橋が今月から値下がりして、往復9千円ぐらいになったのでしょうか。ETCでさらに1千円引きなら8千円です。4人(カップル2組)で2千円なら安いものです。格安の象徴です。香川県三豊郡詫間町ですよ。