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2003/6/10

対岸の火事

 中国の話しであります。はるかかなた中国の長江(揚子江)の「三峡ダム」の貯水が完成すると、東シナ海の漁獲高が、5分の1に激減するという新聞報道がありました。
 今月1日から始まった中国のプロジェクト、三峡ダムの建設が進んだことからの貯水で、河口のある東シナ海の漁獲高が、最大で5分の1にまで激減する恐れがあると発表された。研究によれば、長江から流入する水量が半分以下となり、太平洋からの黒潮の流れによっては、数年内に魚介類の栄養源となる微生物やエビなどの80%が死滅する予想される。
 海が荒れているのは、山に原因があるというのはもう既に言われて久しい。徳島吉野川の水も、香川用水へ配分はしているが、元からの権利で、海に垂れ流しである。香川の人間にしたら、もっと貰えないか、捨てるのはもったいないではないかと言うが、垂れ流しで水産資源が守られているところも確かにある。
 中国は三峡ダムの完成で、これまでの電力不足を一気に解消することが出来るであろう。しかしそれと同様に、いやむしろ過大に工場排水の増加による海洋汚染も加わって、こちらの被害もそう小さくないように思う。もちろん対岸の火事のようだけど、日本の漁業、台湾のそれ、韓国のそれへと影響は広がる。