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2003/4/3

特別名所「栗林(りつりん)公園」の夜桜

 松平藩の別邸であった「栗林公園」は、現在香川県が所有管理して、讃岐の観光地として古くは名をはせていた。それが15年前の瀬戸大橋の開通期の240万人のピークを境に客足が減少し、香川県は入場者増に苦心惨憺している。
 この問題に一昨年らい県は、県内在住のミュージシャンを招いた庭園コンサートを真夏と冬を避けた8ヶ月間毎月第2日曜日に開催していて、毎回200〜300名の参加者を集めている。
 
 さらに2001年春からは、夜間のライトアップに取り組み、たったの1週間で春は2300人秋は7300人の夜間入場者を得た。
 また昼間の催しも取り入れ、公園中程の「掬月亭(きくげつてい)」では、能楽師笛方・一噌幸弘さんの演奏会とかいろいろ主催者が変わり、企画実行がなされている。
 さらにこれまでの「栗林公園動物園」の移転がこの秋に完了し、ただちに駐車場として整備が進められる。これによって地元の人も、観光客にも不便をかけていた交通の問題が解消する。大型バス15台、マイカー75台ほどが新たに加わることになる。特に大型バスの駐車場の確保は朗報。南からの高速を降りた大型バスが、公園の東門の前で、激しい交通渋滞の前に、だじたじの風景を繰り返しみたものだ。

 さらに入場者を募るなら、1年間公園来場者へは「昼ご飯=うどん定食」をただで提供する。これだけなら今の建物で十分間に合う。讃岐のご馳走は、うどんとすし。期間限定で提供するならば、明石大橋からの観光客はまず昼に栗林公園で、夜は県下の琴平か塩江温泉に宿泊してくれる可能性がでる。昼食が高知なら夜が高松というルートはちょっと考えにくい。
 そして長期的展望を考えるなら、「うどん博物館」の実施。館内に10件ほどのうどん店舗を
つくり、半分常駐、半分半年入れ替えなど企画をすると、今のうどんブームをさらに盛り上げるホットなゾーンが、都市部に完成する。こうなると、多少時間をずらした、県内客も楽しめる。公園は特別な人が楽しむところから、普通の人の憩いの場になってはじめて生かされる。今夜の夜桜は、特によかった。