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2003/3/12

受験生の試練

 今日明日は香川県下公立高校の入学試験です。昔からこの時期は不思議と寒い日です。今日も雪花が舞っていました。香川県は、春は「甲子園(選抜高校野球)から」とか「奈良東大寺二月堂の水取りが済んで」とか言われています。その前の辛い寒い日がこの前後に続きます。
 受験では私も辛い悲しい思い出があります。国立工業専門学校(工専)の入試に落ちました。この年は父親が死んで5年目の年でした。自分で言うのは凄く変ですが、女性ばかりの家庭で、男は私だけ。犬まで「ふゆ」と言ってメスでした。暗いわが家は、合格を神さん仏さんに念じていました。それが努力不足で落ちてしまいました。私も自信がありましたし、きっと神仏も助けてくれるものだと信じていました。少なくても映画ではそうなっていますよね。
 不合格の通知で、私も落ち込んでしまいました。母は中学校へ押しかけて担任を糾弾したようです。30年もたって聞きました。ある程度まではいったのですが、もう一押しが足りなかった。このころの私は、もううどんを打っていました。労働力として期待されていたし、自分もそんな覚悟がありました。しかし、受験は絶対量です。時間×集中度=絶対量だと思います。足りなかったのでしょう。
 その後高松商業高校から明治大学へ進学しました。この時は学年団の先生方が、「奇跡がおこった」と言っていました。私は当然だと思いました。私にはこの「不合格」が、大変いい経験になりました。その後45歳くらいまで、全戦全勝でした。しかし、途中ではいい経験にならないですよね。ある程度時間が経過して、このように思えるのでしょう。
 万一皆さんの回りで「不合格」を経験した子がいたら、決して慰めないで、「努力不足」と強くきっぱり言ってやってください。でも、愛も込めておいてくださいよ。