目次
2003/2/25

■2003年税制改正案が決まる

 20日から国会審議が始まりました。年末に発表になった政府税制改正案も審議可決されます。そこで改正案の先読みをしたいと思います。
 
庶民感覚での「目玉」は、新贈与制度「相続時精算課税制度」の新設です。この新贈与制度を適用する親からの贈与については、合計2500万円まで非課税です。仮に1年目1000万円、2年目1000万円、3年目1000万円と親から贈与を受けたら、1年目2年目は贈与税非課税です。3年目は2500万円を超えます。超えた500万円に対して税率20%となり、500万円×20%=100万円の贈与税を払います。次の年に不幸にしてその親が亡くなりました。親の相続財産の計算に当たっては、3000万円を加算します。そして算出相続税額から100万円を差し引きます。もしも差し引くことでマイナスになれば、そのマイナスは税務署から還付になります。つまり、生前贈与でも、相続でも税額は同じになります。この制度は2003年元旦からの贈与から適用予定です。

 この制度か利用できる贈与者は満65歳以上の「親」で、受贈者は満20歳以上の子である「推定相続人」となっています。
 また子の住宅取得資金のための贈与なら、65歳未満の親も可で、この場合の非課税枠は2500万円ではなく3500万円になります。適用の翌年3月15日までに税務署に届けることで新制度の適用となります。一旦適用すれば、親の相続まで続きます。仮に親が100歳まで生きれば、35年間税務署で申請書がコンピュータ保管されることでしょう。

 この制度はこれまでの年間110万円贈与制度と共存します。どちらかの選択制になります。110万円×5=550万円の住宅取得資金贈与も残ります。こちらは超えた贈与額に対して税金を払えばそれで終わりです。値上がり値下がりが雌雄を決するが、はてさて。